センサー45兆個の2040年に花開くワイヤレス給電 エイターリンクはデータをつかさどる種をまく

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岩佐:1つ目のファクトリーオートメーションなんですが、生産ラインでロボットのハンドの可動部は非常に高速に動いています。その先端にセンサーが付いているのですが、動いているとどうしても間にワイヤーをかんで断線してラインがストップしてしまう。これはFA業界では20年来の非常に深刻な問題でした。

だからワイヤレス化したい。われわれの長距離無線給電システムを使えば、たとえば送信機を部屋の至る所にたくさん付けて空間自身をワイヤレス給電化してしまえば、全てのセンサー類をワイヤレスでずっと動かすことができる。

オフィスの暑い寒いをなくして心地よく

2つ目のオフィスビルは、デベロッパーさんとかゼネコンさんから強い要望があって開発を進めています。

例えばこれはビーコンなんですけど、USBスティックぐらいのサイズで衣服でも身の回りに付けていただければ位置が検出できる。今、フリーアドレス制のオフィスが増えてきて、出社した時に誰がどこにいるかがわからなかったりするのですが、それを解決できます。

あとオフィスだと、温度設定をしたにもかかわらず暑かったり寒かったりするというクレームが一番多い。温度湿度センサーを取り付ければ、空調の制御によって人が心地よいと思える温度設定ができます。人を感知したらライトをつけたり、空調と連動させることもできる。当然CO2センサーは昨今、非常に注目を浴びてきているのでニーズがあります。

井上:よくそんなニーズを発見できましたね。

岩佐:いろいろな方とディスカッションしました。その中で、竹中工務店さんが、最初に研究開発を持ってくださり、熱心に声を掛けていただきました。そこから始まったんです。

そこで、オフィスビルなどで何かビジネスを作ろうと思ったのですが、まず業界構造をしっかり把握していくことが重要だと私は思いました。

ビルの建築にたずさわる場合、われわれがシステム部品のモジュールメーカーになってしまうと下請け構造の中に紛れ込んでしまうので、利益率をしっかり担保できない。だから、エンドユーザーに近いところまで行こうと決めたんです。

井上:どうやって近づくんですか。

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