コロナで疲弊「上毛電鉄」挽回狙うツアーの中身 運転・車掌体験会やライトアップ撮影会を開催
コロナ禍による行動制限や移動の自粛も一段落し、鉄道業界も、ずっと抑えられていた観光事業やイベントなどに徐々に取り組めるようになってきた。最近では、有料の鉄道撮影会や運転体験等が増えてきた。どんなものなのか。その1つに実際に参加して探ってみた。
日本最古級の木造電車に乗る
群馬県の中央前橋駅と西桐生駅を結んでいる「上毛電気鉄道」(以下:上電)の沿線では、多くの学校が存在し、通学における利用者も多い。また、赤城駅からは東武鉄道が接続し、東京と上州との足としても、重要な路線である。
しかし地域では高齢化が進んでおり、車の運転をやめた高齢者も多く利用している印象だ。今回は、そんな地域の足となっている上電で、体験型モニターツアーに参加する。
9時37分、赤城駅に到着し上電ホームにむかうと、すぐに2両編成の電車が目に入ってきた。どことなく懐かしい車両。そう、この車両は元京王3000系である。京王井の頭線で活躍していた車両で、上電に譲渡されて「700形」として運用されているのだ。懐かしさを噛み締めているのも束の間、今度は茶色い(ぶどう色)レトロな電車が1両編成で入ってきた。デハ101(デハ100形)だ。
デハ101は1928年製で、上電が営業を開始した際に導入された木造電車である。鉄道車両としての動態保存としては、日本最古級の電車と言われている。レトロなのは外観だけではなく、車内もアンティークで心地よい白熱式の車内灯に、深みのある緑色のシート。車内はニス塗りで復元され、つり手は木製である。さらに昭和初期の中吊り広告が再現されている。なんとも言えない温かさを感じる。
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