「日本の学校教育」がオワコンと言える2つの理由 1学級40人なのは「従順な人間」を量産するため

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近年、教育や勉強に関する本が数多く出版されています。教育への関心が高まっているからでしょう。しかし、教育評論家やジャーナリストが書いた本の主張の多くは、子どもの学力の低下を問題視し、「こうなったのは先生が悪い」「文科省が悪い」「家庭でのしつけが悪い」と、その責任を一方的に決めつけるものばかりです。あるいは、教育実践者や子育てに〝成功〞したと自負している親による著書の多くは、自分が実践したことや体験したことを普遍化して証拠や検証を示すことなく、「自分がやったことが一番だ」という主張をくり返すばかりです。

けれども、犯人探しや自慢話には意味がありません。大切なのは、自分が何をするか、です。高校生なら自分のために、保護者や先生なら子どものために何をすべきなのかを徹底的に考えることです。

オーナーシップとパーパスの欠如が問題

親が「子どものためにいい学校に入れさせたい」と思い、子どもたちも将来のために「あの学校、あの大学に入りたい」と思うのは当然のことです。しかし、その根底には、「あの学校に入れば大丈夫」「あの会社に入れば大丈夫」という思いがあるはずです。つまり、〝人任せ〞です。有名な大学に合格したり、有名大学に合格者を数多く出している中学や高校に入学したり、予備校や進学塾のカリスマ講師を信じて勉強していれば、明るい未来が開けると勘違いしている「思考停止」状態です。日本の教育が悪くなったのは、そういった「人任せ」の「お客様意識」がはびこっているからです。私が、生徒たちに口うるさく言っている言葉を使うと、オーナーシップとパーパスの欠如です。それらの欠如は先生や教育関係者にもいえることです。

最後に、ここまでの話を整理しておきましょう。ひと言でいえば、日本の社会が求める人材とそのための学校は、世界のそれとは大きなちがいがあるということです。

日本人や日本社会が優れているのは、人々の能力が均質化しているところです。日本では読み書きや計算ができない人はほとんどいません。また、人々のモラルが高いのも誇れることです。しかし、自由はあまりありません。いまの日本の学校では、模擬試験の成績のよい生徒は育てられますが、リサーチやクリティカルシンキングの力を身につけさせる教育はできません。生徒は議論もあまりできないし主体性もありません。そのような学校には多様性(ダイバーシティ)もありません。

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