ここまでにcaramelとlawyerの発音の地域差について紹介しましたが、他にはどのような単語の発音にバリエーションが存在するのか見てみましょう。
その他の発音の地域差
意外なのがcrayon(クレヨン)の発音です。なんと4つもバリエーションがあるんです。数でもっとも多数派の読み方が「クレイ-アーン(krey-ahn/ˈkreɪɑn/)」です。Dialect Surveyによると48.64%、『Speaking American』によると42%の人がこの発音を使用しているようです。第2位が「クレイ-オーン(krey-awn/ˈkreɪɔn/)」という読み方。「オン(awn/ɔn/)」の部分はdawnやlawnと同じ母音です。Dialect Surveyによると34.53%、『Speaking American』によると39%とのこと。
crayon
krey-ahn/ˈkreɪɑn/
krey-awn/ˈkreɪɔn/
kran/ˈkræn/
krown/ˈkraʊn/
筆者もまだ聞いたことがなかった第3位の発音は「クリャーン(kran/ˈkræn/)」です。発音してみると、たしかに「クレヨン」のことだとわかるのですが、ちょっとずぼらな読み方な印象です。数はそれぞれ14.13%、15%となっていました。第4位は、きっと筆者も一瞬なんのことだか迷いそうな「クラウン(krown/ˈkraʊn/)」という発音。これはcrown(王冠)と同じ読み方なんだとか……。数は1.46%、2%ということで、かなりマイナーです。
次はapricot(アンズ)を見てみましょう。これは2通りの発音があります。異なるのは初めの母音だけで、ひとつは「エイ/eɪ/」と読み、もうひとつは「エァ/æ/」と読みます。
apricot
ape-ricot/ˈeɪprɪkɑt/
app-ricot/ˈæprɪkɑt/
『Speaking American』の使用地域分布によると、「エァプ-リカット(app-ricot/ˈæprɪkɑt/)」のほうは、Midwest(中西部)の北側の地域と、Northeast(北東部)で多く使用されていて、残りのエリアは「エイプ-リカット(ape-ricot/ˈeɪprɪkɑt/)」が主流のようです。皆さんはどちらのほうが発音しやすいですか。筆者は「エイプ-リカット」派です。
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