JR西日本、「大阪駅リベンジ」の仕掛けとは? コンセプトは「百貨店と専門店の融合」
しかし、大阪駅周辺は阪急、大丸、阪神といった百貨店がひしめく激戦区。4番目の百貨店が食い込むのは、容易ではなかった。
開業当初から客足が伸びず、年商500億円の目標に対して、300億円程度にとどまるなど、文字通りの惨敗だった。こうして、JR西日本伊勢丹は、わずか開業1年にして抜本的な対策を迫られた。
百貨店と専門店が融合
対策としては、好調なルクアをそのまま百貨店のある西館まで拡張するという案も検討された。ルクアに限らず、JR西日本は大阪の天王寺などでも専門店ビルを展開しており、専門店運営ノウハウに長けた人材も多い。だが、「西館の店舗面積は東館の1.65倍もある。出店していただけそうな店はあるが、さすがに全部を専門店で埋められるのか、という懸念があった」(ルクアプロジェクトを率いるJR西日本SC開発の山口正人社長)。
三越伊勢丹が失敗した理由として、「三越と伊勢丹の融合が失敗した」「東京流の店作りが関西では受け入れられなかった」といった見方もあるが、山口社長は否定する。「1997年に京都駅内に開業した京都伊勢丹は好調に売り上げを伸ばしており、関西に受け入れられないということはない」。
そこで生み出された打開策が、百貨店と専門店の融合だ。「伊勢丹の中にはいいものがある。百貨店と専門店の得意な分野をそれぞれ組み合わせることで、今までにないような売り場ができる」(山口社長)。
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