入江慎也「人の紹介で人生を変えてしまう」怖さ 生み出した「人脈広いキャラ」が暴走した末路

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――入江さんが個人としてバラエティ番組に出始めたのって、『やりすぎコージー』(テレビ東京)で「ナンパ術がすごい芸人がいる」というふうに紹介されたときですか?

そうです。今田(耕司)さんとかとずっと飲ませてもらっていて「なんか、お前のナンパのやり方っておもろいな。ちっちゃいのにようメンタル折れへんな」って言われて。これが仕事になるんだ、って最初はびっくりしました。そこから合コンをたくさんやって、オリジナルのコールを考えたり、トークの盛り上げ方を紹介したりするようになって、「合コン芸人」みたいになっていきました。

――そこからは、普段から仕事につなげることを意識して合コンをやったり、人に会ったりするようになっていったんですか?

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そうですね。もともと目標を決めて行動するのが好きだったので、先輩と飲むときにも「今日は絶対この質問をしよう」「この先輩のエピソードを盗んでこよう」って決めたりしていました。そうしないと、ただ飲んでるだけになっちゃうんですよね。

芸人同士で旅行に行くときにも、ただ何も考えずに遊んでいるやつと、すべらない話のネタを探しているやつとでは差が生まれるんですよね。僕の場合、旅行に行ったりしていても、自分の周りがだんだん売れてる後輩だらけになってきたので、その後輩たちに自分はどう見られてるんだろうな、っていう焦りが出てきて。お笑いとして難しかったら何とか違う才能で世に出ていくしかないと思っていたので、目標は常に持っていました。

――騒動を経て、人脈というものに対する考え方は変わりましたか?

一番変わったのは、人と人をつなげる怖さを知った、ということですね。それまでは何も考えずに気軽に紹介したりしていたし、軽く見ていたんですよ。今でも人をつなぐのは好きですけど、本当に慎重になりました。人をつなげることで人生が変わるっていうことを重々わかっているので。他人の人生が変わるのって責任が取れないので、めちゃくちゃ怖いことなんですよね。

――闇営業騒動にかかわった芸人のご家族にも迷惑がかかっていることにも気付いて、深く反省されたそうですね。

そうですね。僕が独身だったので、家族がいるっていうことがわかってなかったんです。お父さんが謹慎するとなったら、ずっと家にいることになるし、そのご家庭の収入がゼロになるわけじゃないですか。本当にご迷惑をかけてしまったなと思っています。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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