入江慎也「人の紹介で人生を変えてしまう」怖さ 生み出した「人脈広いキャラ」が暴走した末路

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――その当時のご自分をいま振り返ると、どういうところが良くなかったと思いますか?

自分の意見を周りに押し付けていたっていうのもあるし、お金を持ってないとなめられるって思い込んでいたんですよね。いま思うと全然そんなことなくて、ちゃんと見てくれていた人がいっぱいいたのに、とにかく人が離れていくのが怖かったんです。

――その時期に高級なブランド品を身に着けたりもしていたそうですね。

ブランド物を着ていればイケてる人に見えるんじゃないかな、って。完全に間違ってるし、恥ずかしい限りなんですけど。まあ、トータルで言うと、自信がなかったんですよね。芸人としての自分に自信がないっていうことが言えなかったから、違うところで何とかごまかし、ごまかし、やってきたっていうのが大きかったと思います。

入江慎也
「芸人としての自信のなさをごかましていた」と語る入江慎也さん(撮影:今井康一)

――客観的に見たら、「人脈広いキャラ」として入江さんがやっていたことも、それはそれですごいことだと思うんですが、ご自分ではそうは思えなかったんでしょうか?

そうですね。「それは芸じゃないでしょ」って思ってたんで。「芸で笑い取れてないじゃん」みたいな感覚がありました。

――広い意味では、入江さんが自分の限界を超えて無理をしていたことが闇営業の問題を引き起こしたという側面もあるんでしょうか?

それもあると思います。起こるべくして起きたことなのかもしれないです。仮にあの騒動がなかったとしても、ほかのことで何か問題になっていたかもしれないですし。歯止めがかからない状態になっていたとは思いますね。

――入江さんは芸人を始めた頃には「人脈広いキャラ」のようなことをやろうとは思っていなかったんですか?

最初のうちは全然思ってなかったですね。テレビに出るのも割と早かったし、そのまま行けると思ってたんです。でも、だんだん通用しなくなってきて「ちゃんと面白くなかったら仕事なんか来ないんだ」って気付き出して、そこから何かキャラクターを作ったほうがいいのかな、ってなっていったんですよね。

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