ボルボ「EX90」に映る安全への並々ならぬこだわり 気候変動、循環型経済、倫理も重視している

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子供やペットの車内置き去りを防ぐシステムの模式図。車内に誰かが残っている場合には、レーダーセンサーが感知してドアに鍵がかからない(写真:ボルボ)

レーダーセンサーとはどんなものだろう。車外の障害物を検知するためのレーダーとは違うのだろうか。

「違います。車内の状況把握に適した特殊なセンサーです。置き去りを防ぐためには、前席、2列目、3列目から荷物スペースまでカバーすることが重要になってきます。EX 90にはあらゆるタイプのセンサーが組み込まれていますが、我々はこれからも、様々なチャレンジを重ねていきたいと思っています」

ボルボのサステナビリティ・ポリシー

続いて、ボルボ・カー サステナビリティ責任者のスチュアート・テンプラー(Stuart Templar)氏に聞いた。ボルボは自動車産業全体のサステナビリティをリードしているように見えるが、どう目標を定義しているのだろう。

ボルボ・カー サステナビリティ責任者のスチュアート・テンプラー(Stuart Templar)氏(写真:ボルボ)

 「ボルボはサステナビリティを安全性と同じくらい重要だと考えています。道路輸送は世界の温室効果ガス排出量の約10%を占めており、私たちはその解決策の一翼を担う必要があります。私たちの目標はパーソナルで持続可能かつ安全な方法で移動する『自由』です。企業戦略全体の中で重要であり、将来の成功に不可欠なものです。

消費者はあらゆる面で持続可能な製品を求めるようになっています。自動車でいえば、排出ガスゼロだけでなく、その製造方法や、持続可能で責任を持って調達された素材が含まれているかどうかも含まれます。特に、カーボンフットプリントの削減という点でより持続可能な企業に、投資家はますます注目しています。若い人たちは、人と地球の両方にポジティブな影響を与える企業で働きたいと考えています。

各国政府は排ガスに関する規制を強化しつつあり、例えばEUでは2035年までに化石燃料車の販売を禁止することを決定しています。リサイクルについても、工場が責任を持って原料を調達していることを確認する必要があります。企業が世界の多くの国で事業を展開しようとするならば、サステナビリティ・パフォーマンスを向上させなければならないでしょう」

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