静岡リニア、知事「首相宛て意見書」訂正のお粗末 長期債務残高を理解せずJR東海の指導を要請
『地域住民の理解が得られるまでは』という記述が、川勝知事の“真っ赤な嘘”である。筆者は、森副知事に「山梨県の調査ボーリングで『地域住民』とは山梨県早川町の住民らを指す。彼らはすでに理解しているはずだ」と尋ねたが、森副知事は回答を避けた。
静岡県は県環境影響評価条例に基づいて県リニア環境保全連絡会議を設置している。同会議の『地域住民』とは、静岡市井川地区の住民であり、自治会、漁協などの代表が同会議に参加する。彼らは「工事を行いながら、問題を解決すべき」の立場を表明している。つまり、静岡県の『地域住民』も山梨県内の調査ボーリングなど最初から問題にしていない。
また大井川中下流域の首長と県地質構造・水資源専門部会委員の会合が昨年12月に開催された。そこで森下祐一・部会長は「山梨県の調査ボーリングによって静岡県の地下水がどんどん抜けてしまう」などの非科学的な理由を挙げて、「山梨県内の調査ボーリングをやめるべき」という川勝知事の主張を繰り返した。
流域市町の主張は「やる価値がある」
一方で、染谷絹代・島田市長は「高速長尺先進ボーリングはやる価値がある」と森下氏に真っ向から反論、柳澤重夫・御前崎市長も染谷市長の意見に賛同した。山梨県内の調査ボーリングに慎重な意見を述べた首長は誰ひとりいなかった。
つまり、『地域住民の理解が得られていない』という“真っ赤な嘘”に基づいて、川勝知事は「南アルプストンネル工事をするべきではない」とJR東海の厳格な指導を岸田首相に要請したのだ。
岸田首相による“厳格な指導”が必要なのは、JR東海ではなく、間違いなく静岡県である。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら