30年で6割減、3メガは「店舗」をどう減らしたか 三菱UFJが減少率首位、3行とも今や400店以下に

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徐々に街からその姿を消していく銀行の店舗。三菱UFJ、三井住友、みずほの店舗削減の変遷は、各行の発足の経緯と密接に関係している。

最近では1つの店舗に複数の支店が営業する「店舗内店舗」も増えている(記者撮影)

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「対面からデジタル・モバイルへの大変革が進んでいる」

三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長が、スーパーアプリ「オリーブ」を開発した背景に挙げたのは、銀行店舗を取り巻く環境変化だ(オリーブを軸とした三井住友のリテール改革の詳細はこちら)。銀行にとっての「顔」である実店舗は、キャッシュレス決済や取引のデジタル化によって来店客が減少し、存在意義が問われている。

もともと、銀行にとって店舗は重要な経営戦略だった。最前線の営業拠点であるだけでなく、貸し出しの原資となる預金獲得の機能も担っていたためだ。平成バブル期以前は出店競争の激化を抑えるべく、大蔵省が年間の新規出店数に上限を定めるほどだった。

ところが、平成バブル崩壊以降は不良債権に苦しんだ銀行同士の合併が進み、現在の3メガバンク体制に収斂。維持費のかかる店舗は統廃合が進められた。メガバンクの業績が好調な現在でも、冒頭のようなデジタル化を推進し、実店舗は統廃合や合理化の一途をたどる。

統廃合の先駆けは三井住友銀

では、メガバンク3行は平成バブル崩壊から現在に至るまで、どのようにして店舗を削減してきたのか。長年、銀行の店舗戦略の研究に携わってきた江戸川大学の杉山敏啓教授の協力を得て、過去50年間の店舗数の推移と増減の要因を探った。

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