地銀システム大動乱時代、迎え撃つIBMの「秘策」 NTTデータも仕掛けるクラウド化にどう戦うか

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広島銀行の電撃発表により、NTTデータがIBMに一泡吹かせたように映る地銀システム業界。クラウド化の荒波を前に、IBMも無策ではない。

「レガシー」とも揶揄されるメインフレームを、IBMはなぜ重宝するのか(撮影:尾形文繁)

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「狙い澄ましたようなタイミングだ。顧客の動揺を鎮めるべく、先んじて発表したのではないか」。プレスリリースを見た銀行関係者は、そういぶかる。

2022年11月10日、日本IBMが公表した1本のプレスリリース。「次世代勘定系ソリューション戦略」と銘打ち、銀行の勘定系システムの将来像を提示している。

その翌日、20年近くにわたりIBMのメインフレーム上で勘定系などのシステムを稼働させてきた広島銀行が、2030年度をメドにNTTデータが開発・運用するクラウドシステムへ移行すると発表した(広銀ショックとNTTデータの構想について詳細はこちら)。 IBMとは昵懇と見られていた広銀の突然の発表に、銀行やIT業界には衝撃が走った。

「レガシー」と揶揄されても投資を継続

広銀が移行を決めた背景には、銀行のシステムを支えるメインフレームに対する懸念がある。メインフレームとは、さまざまな用途に対応できる大型のコンピューターシステムだ。源流は1964年にIBMが開発した「システム360」。機能更新を重ねつつ、現在も多くの金融機関が採用している。

ただ、誕生から60年を迎えようとするメインフレームは「レガシー」とも形容される。2019年には、経済産業省のDXレポートの中で「老朽化したシステム」と表現された。若い技術者が対応できなかったり、新たな機能をつぎはぎで追加した結果、システムが複雑化したりする問題点が列挙されている。

直近では日立製作所や富士通がメインフレーム製造から撤退を表明しており、そのメインフレームの継続性に暗雲が垂れ込めたことも広銀の背中を押した。

クラウド化をめぐっては、NTTデータのみならずBIPROGYなど同業のベンダーも攻勢をかける。しかしIBMは、枯れた技術と揶揄されようとも、あくまでメインフレームを軸に据える姿勢を崩さない。日本IBMの村田将輝常務執行役員は「メインフレームの提供を止めないでくれ、という声が顧客から来ている。われわれも投資を継続していく」と強調する。

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