首都圏・関西の人もお得、JR東海「破格の切符」たち 在来線より安く新幹線利用、高山往復半額も

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「休日乗り放題きっぷ」は、土・休日と年末年始(12月30日~1月3日)限定で、東海道本線の豊橋―熱海間、身延線、御殿場線が1日乗り放題となる切符だ。価格は2720円で、乗車日当日のみ有効だ。こちらも別途特急券を購入すれば在来線特急の利用はできるが、新幹線は利用できない。

フリーエリア内の切符売り場がある駅(JR東日本管理駅の甲府・国府津を除く)で購入できる。また、青空フリーパスの発売駅でも購入できるが、こちらは「『休日乗り放題きっぷ』のフリー区間の入口駅までの乗車券等を同時購入または提示した場合に限ります」とわざわざ注意書きがあることから、青空フリーパスと組み合わせた利用も前提にしているということだろう。

青空フリーパスと休日乗り放題きっぷを組み合わせると、かなり広い範囲で使えることは使える。だが新幹線は利用できず、東海道本線に特急や快速などが走っている区間は限られ、土・休日はホームライナーも全廃されたばかり。これでは時間がかかり過ぎて、ほとんど乗っているだけで終わってしまうだろう。それでもまだ実用的な区間としては、名古屋―静岡間は通常往復6820円のところ、青空フリーパスと休日乗り放題きっぷの組み合わせで5340円。1480円安くなる。

また、休日乗り放題きっぷ単体利用でも、単純に甲府―静岡間を往復すると通常4620円が2720円となり、1900円お得だ。同区間は特急券別購入で特急「ふじかわ」が利用できる。特急料金は片道1860円なので、乗車券のお得額で片道分だけではあるが特急料金がペイできる。甲府―富士間だけでも通常往復3380円(乗車券のみ)と比べると660円お得だ。同区間の特急料金は片道1200円である。

私鉄も新幹線も使える「乗り鉄☆たびきっぷ」

「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」は、土・休日の2日間、JR東海全線と、接続する16の中小私鉄が乗り放題の切符で、特急券を追加すれば在来線特急は回数制限なし、新幹線は米原―熱海間で「ひかり」「こだま」を4回まで利用可能だ。お値段は8620円。

このきっぷを使って名古屋から熱海、伊豆箱根鉄道線の修善寺まで往復した場合を試算してみると……。

【名古屋―熱海間の単純往復】
通常=新幹線特急料金込みで往復1万6480円
乗り鉄☆たびきっぷ8620円+特急券往復6800円=1万5420円(1060円お得)
【名古屋―修善寺間の単純往復】(伊豆箱根鉄道線内は普通列車利用)
通常=新幹線特急料金込みで往復1万6860円
乗り鉄☆たびきっぷ8620円+特急券往復6800円=1万5420円(1440円お得)

伊豆箱根鉄道はこのきっぷの範囲に含まれているので、別途運賃は必要ない。どちらのケースも1000円以上お得になる。

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