日光・鬼怒川、閑散期の週末「運賃無料」東武の狙い 各日先着600人、エリア内の鉄道とバス乗り放題

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東武鉄道によると、1月16日の10時から一般受け付けを開始したところ、最初の土曜日である1月28日分は販売初日に、翌29日分は1月20日に売り切れた。2月26日までの全11日分はすでに1月28日に完売したという。

同社日光・鬼怒川エリア営業推進部の室崎晋平さんは「エリア内は無料だが下今市までの運賃はいただける。日光にはいいところがいっぱいあるので、これをきっかけにリピーターになってもらえれば」とフリーデーの狙いを説明する。

フリーデーは2020年の初開催以来4年目。初年は2月1日の1日限定と控えめだったが年々規模を拡大した。今回から日光マース上で購入する仕組みに変えた。

日光市とはどんな縁がある?

日光市の姉妹都市・友好都市の居住者は1月13日から「先行申し込み」できるのがユニークだ。姉妹都市は八王子市と小田原市、苫小牧市、友好都市は東京都の台東区と板橋区。東武鉄道の室崎さんは「対象の地域に住む方が『うちが優先なら行ってみようかな』『姉妹・友好都市でよかったな』という気持ちになってもらえたらありがたい」と語る。

だが、そもそも日光市とはどんな縁があるのだろうか。

同市のホームページによると、八王子市とは「江戸時代に八王子千人同心が日光東照宮などの火の番を勤めた縁」、小田原市とは「江戸時代に農村復興を手がけた二宮尊徳の生誕の地であり、日光は尊徳の終焉の地であるという縁」、苫小牧市とは「苫小牧の開拓の祖と言われる八王子千人同心による歴史的な結びつきや、アイスホッケーを中心に古くからの交流のあるという縁」があるという。

一方、友好都市である台東区とは旧藤原町が「鉄道直結を背景」に、板橋区とは旧栗山村が「都市と山村のふれあい」を目指して交流協定を結んでいる。現在の日光市は、2006年に旧今市市、旧日光市、旧藤原町、旧足尾町、旧栗山村が合併して誕生した栃木県の4分の1の面積を占める巨大市の一面もある。

1月と2月の最後の土日には定期列車である新宿発のJR相互直通特急に加え、八王子―東武日光間で臨時特急「スペーシア八王子日光」を運行する。JR東日本も、JR日光駅で提示するとプレゼントがもらえるスタンプカードを往路の車内で配布するといったおもてなしで盛り上げる。

「スペーシア八王子日光」
東武日光駅に到着した臨時特急「スペーシア八王子日光」。車内でJR東日本がスタンプカード、日光市観光協会がクーポン券を配布した(記者撮影)

東武の1日無料で乗り放題、と言えば、2018年に「栃木県県民の日記念イベント」に合わせて6月16日限定で栃木―東武宇都宮間を無料にする「東武宇都宮線フリー乗車DAY」を実施した。フリー乗車券を約2万5000枚配布し、「東武宇都宮線の1日平均乗降人員の約2倍」(同社)が利用する盛況ぶりだったという。

ほかの大手私鉄に目を向けると、2017年の10月9日に東急電鉄が池上線で開通90周年を記念した「フリー乗車デー」を開催した。池上線は蒲田と五反田を結ぶ全長10.9kmの路線。話題を呼んで、当日はこの1日フリー乗車券欲しさに、そもそも東急線全線が乗り降り自由の「ワンデーパス」を購入し、池上線に出かける人もいたようだ。

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