廃止20年でも人気、「レールバス」保存活動の軌跡 鉄道ファンの熱意が地元関係者を動かした
交換部品のストックのない車両の整備については、当初は必要となる部品を都度、専門の工場に特注し愛好会メンバーで整備を行っていたが、車両の町有化後は車両整備会社で年に1度整備をしてもらえるようになった。交換部品についても現在は整備会社と相談をしながら入手可能なメーカー品を使用しているという。
南部縦貫鉄道から託された6両の車両のうち2両のディーゼル機関車については当初は走行ができる状態にはなかったが、2004年から25t級機関車の修復に着手。青森市内の過給機業者から修繕のレクチャーを受けるなど6年間の試行錯誤の末、2010年に整備が完了した。現在進めている45t級機関車の修復作業が完了すれば6両すべての車両の動態保存が実現する。
1区間だけでも復活できないか?
線路の保守についても、当初は愛好会メンバーで枕木の交換から砕石散布までを行い、軌道狂いを防止する観点から一部線路のコンクリート枕木化を進めるなどの工夫を重ねてきた。コンクリート枕木については廃線跡からの転用で材料費はかからなかったという。現在は愛好会メンバーでの活動に加え、近隣の軌道修繕会社に保守をお願いできることになった。
保存活動の資金については愛好会メンバーの交通費や宿泊費は含まれていないというが、星野さんは「七戸町に大きな負担をかけず末永く保存活動を行うことに重点を置いてきた」と話す。現在は、七戸十和田駅まで1区間だけでも観光鉄道として復活できないかという声も寄せられているほか、「60年前に中古の線路を使って開業しているため、特に老朽化が著しい線路改修のためのクラウドファンディングにも挑戦していきたい」と目標を語った。
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