「レトルトで完全再現」名古屋名物のあんかけスパ ソースと同封されているのに「伸びない麺」の謎
筆者の自宅にもヨコイのソースと麺は常備してあり、たまに作って食べるのだが、唯一の難点は手間がかかるということ。ソースは湯せんで温めるだけだが、麺は太麺ゆえにゆで時間は13分かかる。そのうえ、赤ウインナーや玉ネギなどの具材を切ったり炒めたりせねばならない。時間がないときに作るのは無理だ。
一方、レトルトよりももっと気軽に食べられるのが冷凍のあんかけスパだろう。日清食品の「ヨコイの元祖あんかけスパゲッティ」をはじめ、こちらも東海エリアのスーパーでは数多くの商品が販売されている。ソースの味は店で食べるのと遜色はないものの、麺の食感はまだまだ改善の余地がある。レンチンした際の加熱ムラも気になる。
しかも、冷凍庫のスペースは限られているわけで、家庭で常備する冷食の中にはたしてあんかけスパがラインナップされるだろうか。筆者の自宅の冷凍庫には入っておらず、たまに安売りしていたときに買う程度である。
店と食品卸、メーカーのトリプルコラボで誕生
レトルトも冷食も一長一短。そう結論づけようと思ったが、
「創業60周年を記念して、昨年12月に世界初の特許技術を用いた新しい商品を発売しました。それが当店と食品卸商社のトーカン様、常備食メーカーのテーブルストック様のトリプルコラボで共同開発したオールインワンの『元祖あんかけスパ』です」(横井さん)という連絡をもらった。
オールインワンとは、ソースも麺も具材もすべて1つのパッケージに入っているということである。素人の考えではソースが麺にどんどん染み込んで、しかも、レンチンや湯せんをしようものなら、あんかけスパならではのもっちりとした麺の食感が完全に損なわれると思うのだが、「実は10年ほど前に麺と具材をレトルトのパッケージに入れて試したことがあるのですが、麺が熱に負けてしまって、とてもスパゲッティとはいえないシロモノになりました。それ以来、麺と具材を入れるのを諦めていましたが、試作品を試食したとき、再現度の高さに驚くとともにレトルト食品の可能性を感じました」(横井さん)。
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