宇部興産が日本で唯一生産する塗料系の副原料「MEKオキシム」の出荷を停止、川下産業へ影響出る可能性も【震災関連速報】

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宇部興産が日本で唯一生産する塗料系の副原料「MEKオキシム」の出荷を停止、川下産業へ影響出る可能性も【震災関連速報】

宇部興産が日本メーカーとして唯一生産する化学品「MEKオキシム」の出荷が止まっている。東日本大震災の影響で原料調達に支障が出ているもようだ。22日時点で再開のメドは立っていない。

MEKオキシムは、メチルエチルケトン(MEK)と呼ぶ化学物質を原料としており、塗料系の副原料で主に油性塗料、合成樹脂塗料の皮張り防止剤として使われている。また、自動車の下塗り塗料(電着塗料)におけるブロッキング剤やシリコーンゴムの硬化剤などにも用いられる。宇部興産の販売先から、さらに川下のメーカーでさまざまな用途に使われているとみられる。

震災による直接・間接的な影響により、MEKの調達が困難になっているもようで、宇部興産は17日からMEKオキシムの出荷を止めた。順次、生産も停止。22日時点で再開のメドは立っていない。調達先などの詳しい情報について、宇部興産は明らかにしていないが、原料メーカーの被災や物流の混乱などが原料調達難の要因とみられる。

宇部興産におけるMEKオキシムの売上高は、年間10数億円。宇部興産の連結業績への直接的影響はさほど大きくない。

ただ、実はMEKオキシムの生産は世界的にプレーヤーが少なく、宇部興産以外の主なメーカーは米国ハネウェルや欧州系のDSMぐらいしかない。事実上、日本で唯一の生産拠点が機能停止に陥っていることから、MEKオキシムを使う産業や企業に影響が及ぶ可能性が出ている。

(武政 秀明 =東洋経済オンライン)

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