転職して「天職」を掴んだ人のキャリアの考え方 好きなことを仕事にするにはどうすればいいか

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そんな小沼さんは大学時代、教育活動や人材育成に携わりたいという情熱をもっていました。大学院時代には青年海外協力隊に参加し、シリアでの環境教育プログラムの立ち上げに参画します。

その現場では、さまざまな課題が毎日のように噴出し、プロジェクトはいつも遅延ぎみだったそうです。そんな中、欧州の戦略コンサルティングファームのスタッフが、現場に派遣されてきました。

驚くことに、彼ら2人が加わったことにより、長期間停滞していたプロジェクトの問題が次々と解決されて、スムーズに進むようになったのです。

その様子を間近で見ていた小沼さんは「効果的で継続的な支援には、ビジネスで培った問題解決能力が必要だ」と痛感しました。そして、社会貢献とビジネスの懸け橋となる活動をしたいと考えるようになります。

日本に帰国した小沼さんは、シリアで一緒に働いた欧州のコンサルタントの勧めに従い、大学院終了後に戦略コンサルティングファームに勤務することを決断。数年間、企業の戦略立案や組織改革などのプロジェクトを担当し、経営課題の解決と向き合いました。その後、自分自身の想いを実現する活動を行うためにクロスフィールズを立ち上げたのです。

「いきなり起業しない」という選択

小沼さんのキャリア設計において重要なポイントは、新興国での現場経験後すぐにNPO法人を起業したのではなく、一度コンサルティングファームへ就職していることにあります。

経営者として必要となる最低限のスキルや知見、リーダーシップなどを身につけずに起業することは、高いリスクを伴います。自動車の運転になぞらえれば、教習所で練習せずに、いきなり公道へ出るようなものです。

小沼さんの場合は、戦略コンサルタントの業務を通じてそれらを習得することで、スムーズにNPO法人を起業することができました。

もちろん、キャリア形成において本人の才能や努力は大切です。しかし、習得できるスキルや経験に直結してしまうため、キャリア設計がかなり重要な要素となるのも事実です。

それゆえ、天職に就くためには「自分はどのような仕事を経るべきか」という視点でキャリア設計することが大切なのです。

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