加入したら自民党応援?医師会の知られざる裏側 年会費は42万円!所属のメリットとデメリット

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さて、当番医であるが、ぼくは脳動脈瘤のため、千葉大病院の脳神経外科の教授から、夜間の仕事と休日の仕事をやめるように言われて大学病院を退職した。

開業医になるにあたって、脳外科の主治医のK先生から、その旨を診断書に書いてもらった。千葉市医師会の入会の面接のとき、千葉市医師会長に診断書を手渡し、「当番医はできませんが、入会させてください」とお願いして了承された。

ところが、当番医という仕事を嫌っている医師がよっぽど多いのか、開業してすぐに雑音が聞こえてきた。「普通の診療ができるのに、なぜあいつは当番医ができないのか」と批判する人がいると人伝に聞いた。

そして、医師会に正式に入会してまもなく、医師会事務局長から電話がかかってきた。彼が言うには、当番医をまったくやらないと文句を言う会員が必ずいるので、夏のヒマな時期にちょっとだけ当番医をやってくれないかということだった。

ぼくは迷った。こういう口約束は時間が経つとなし崩しになることがある。この事務局長がいなくなったら約束が反故にされるかもしれない(実際、この人は医師会の金を横領して逮捕されていなくなった)。

開業医にとって医師会は気になる存在であることは間違いない

そこで、大学病院の脳外科の主治医K先生に相談した。温厚なK先生がぼくの前ではじめて激怒した。

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「ぼくの書いた診断書を医師会は信用しないんですか! なんなら、うちの教授から言ってもいいですよ!」

まるでぼくが怒られているかのようだった。医師の書いた診断書を、医師の集まりである医師会が無視しようとするのは、確かにおかしな話である。自分で言うのはカッコ悪いが、ぼくは責任感の強い人間で、その責任感から大学病院で働きすぎて病を得た。楽をするという言葉は一番嫌いである。

夜間や休日に、自分のクリニックではない診療所まで行って医療行為を行うのは、ぼくには本当にプレッシャーである。ふだんどれだけ健康に気を使って生活しているのか、ここで書いていけばキリがない。それくらい未破裂の解離性脳動脈瘤を抱えて生きていくことは怖いことである。医師会の人たちにはこのことを分かってほしい。

いずれにしても、開業医をやっていると、何かにつけ医師会の存在を意識する。毎年の会費もデカいし。大学病院に勤務しているときは、まったくそういうことがなかった。

日本医師会長は言うに及ばず、千葉市医師会長が誰なのかも知らなかった。診療報酬改定の新聞記事なんて目を通したこともなかった。だが、開業医にとって医師会は気になる存在であることは間違いない。

松永 正訓 小児外科医

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まつなが・ただし / Tadashi Matsunaga

1961年東京都生まれ。千葉大学医学部卒業、小児外科医に。同大附属病院で小児がんの治療・研究に携わる。2006年、「松永クリニック小児科・小児外科」開業。著書に『運命の子 トリソミー』(第20回小学館ノンフィクション大賞)『発達障害に生まれて』等。

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