ホンダ「S660」は、いったい何がスゴいのか 26歳の責任者が開発した新世代スポーツカー

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

同様に、6速MT仕様ではセレクト・モードなるスポーティ仕様が存在する。贅沢なことに、この6速MTは「S660」のために新設計されている。1‐5速のギアのレシオを近づけて、64psに限られるエンジン出力ではあるが、トルクを目一杯引き出せる設定である。6速目は、高速走行での燃費を引き出すための低燃費レシオだ。カチカチッと剛性感の高いシフトフィールで、ストロークも短く、スポーティな走行を楽しむのに適している。

ペダル類の位置も適正で、ヒール&トゥが踏みやすい。コーナーの侵入に備えてアクセルをオフすると、ターボチャージャーのブローバルブが空いてプシュッとエアが抜ける音がするのも、気分を盛り上げてくれる。CVTではこの音の出方に少々違和感があったが、MTでは感性と一致していて、とにかく気持ちいい。

普段の通勤で走らせても楽しそう

インターフェイスのひとつとして、アクセル開度やクルマの走りに影響するGの変化が表示される「Gメーター」の存在も気分を盛り上げてくれる。漫画『イニシャルD』の藤原豆腐店の話じゃないけれど、配達する豆腐が壊れないようなイメージで、Gの変化がスムーズになるように気をつけて運転をすると、コーナリングがスムーズで立ち上がりも速い。

スポーティな走行を楽しめる一方で、意外なほどの乗り心地の良さや、気軽にオープンエアを楽しめるという点では、普段の通勤で走らせても楽しそうだ。荷室がフロントに幌を入れる程度のスペースに限られることを考えると、ロングドライブに出かけるよりも、普段の通勤で走らせて楽しかったり、週末に郊外の美味しいレストランを目指してドライブしたりといったシーンが活躍の場だろう。

オープンカーであることを考えると、発売は春先と見込まれる。気になる価格は未発表だが、マツダ「ロードスター」よりは手頃で、ダイハツ「コペン」と勝負できるあたりが現実的なところだ。

川端 由美 モータージャーナリスト
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事