3年間ゼロコロナで冷え切った消費者心理の行方 専門家の間でも意見が分かれる中国の消費喚起策

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

中国の政策当局は消費の促進を2023年の同国経済における最優先課題としたが、幅広い公約以外、目標達成のための具体的ステップに関して詳細はほとんど示していない。

米国などの国では給付金や消費者向け補助金が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の景気回復を後押ししたものの、中国はこうした措置を避けてきた。政府の支援は主に不況に直面する企業の支援と雇用維持に重点が置かれており、自由に使える現金を支給すれば福祉依存や生産性低下を招きかねないと懸念している。

今年取り得る政策措置に関する手掛かりはこれまでのところ、昨年12月に開催された中央経済工作会議の内容だけだ。指導部は消費が促進される分野として住宅や新エネルギー車、高齢者介護サービスを挙げた。「複数のチャンネルを通じて」家計所得を増やすことも約束した。

消費を喚起する最も有効な方法は給付金か

3年にわたる厳格なコロナ関連規制が消費者心理に打撃を与えたことを受け、政府と関連のある複数のエコノミストは現在、消費喚起の最善策について提言している。

一部のエコノミストは、消費者が安心して支出するためには雇用と収入が確保されていると感じることが必要だと指摘。また、消費者心理をすぐに浮揚させられないときに消費を喚起する最も直接的で有効な方法は給付金だという意見もある。

上海財経大学の劉元春校長は、家計に直接、給付金やクーポンを支給すれば短期的に消費を刺激するものの、経済にマイナスになりかねない間接的な影響もあると指摘。クーポンで購入できない財の需要を減らす可能性がある上、欧米では多くの労働者が離職し給付金で生活したため、経済成長を押し下げたと分析した。

一方、中国財政省傘下の財政科学研究所前所長の賈康氏は、消費喚起の手段は結局のところ雇用創出だと述べ、効果的な投資が鍵になると指摘。中国は新規雇用と所得の創出を助けるべく投資を拡大して「パイを広げる」ことに重点を置き、家計に貯蓄よりも消費を促すため社会のセーフティーネットを整備すべきだと先週のオンラインフォーラムで述べた。

 

原題:China’s Pledge to Lift Consumption Fuels Debate on Cash Handouts(抜粋)

More stories like this are available on bloomberg.com

著者:Bloomberg News

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事