NHKの「若者向け番組」が若者には刺さらない皮肉 受信料を「強制サブスク」と感じる若者たち
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若者向け番組に力を入れるNHK。しかし、「高齢者が若者をわかったような気になる番組ばかり」という皮肉な事態になっている(写真:今井康一)
今年の「NHK紅白歌合戦」は若者向けの出演者が増えたことが話題になっている。NHKは紅白に限らず、若者の視聴者を増やそうと、若者に受け入れられるバラエティー番組にも力を入れている。しかし、当の若者たちに「刺さる」番組にはなっているのだろうか。
若者のテレビ業界への本音
「日本放送協会」の頭文字をとってNHK。だがいま「日本配信協会」に変わろうとしているのか。総務省に設けられた有識者からなる公共放送ワーキンググループで、NHKのネット業務を「補完業務」から「本来業務」へと格上げする議論が進んでいる。
しかし、放送と配信の両方の世界で働いている私は、放送を配信に変えれば済むほど簡単な話ではないと思う。
変わりゆくNHKをどう見ているのか? テレビ朝日(放送)、ABEMA(配信)、動画制作を目指す大学生たちに教える立場(若者)と、3つの立場を経験している筆者から見えるNHKの姿とその課題について述べてみたい。
「本当はテレビはあまり見ない。YouTubeをやりたいのだけれどウェブ動画制作会社は待遇が悪くて不安定。だからテレビ制作会社を就職先として考えている」
いまテレビ制作会社を志望している学生たちの本音はこんな感じだ。修業のつもりでテレビ制作会社で腕を磨き、いずれウェブ動画で勝負をかけたいと思う学生が増えている。
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