「ホテル日帰り50万円」で客が納得する提案方法 高いか安いかの価値判断は買い手が決める

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売り手は買い手のニーズを汲み取ることが重要(写真:pearlinheart/PIXTA)
ホテルの日帰り利用で16万円と聞いたら、どう感じるでしょうか。一般的な感覚では高いですが、利用者(買い手)の事情はさまざま。買い手のニーズを汲めば、「3倍以上の値段を支払ってもいい」と思ってもらうことも可能です。キーエンス出身の経営戦略コンサルタント田尻望氏の著書『付加価値のつくりかた 一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質』より一部抜粋・編集して、付加価値のつくり方を解説します。

「付加価値をつくる人」になるために

「付加価値」というものが仕事において重要なものであることは誰でも知っているが、その定義や「実際に仕事ができる人や、業績のいい会社がどう付加価値をつくっているのか」はあまり知られていない、体系立ててわかりやすく解説されていない。それが現状でしょう。

ですが、「付加価値のつくりかた」は、働く人すべてが身につけるべき、そして身につければ、誰でも仕事の生産性を上げられる、どんな立場でも高収益な会社に変えていくことができる「最強スキル」です。

また、「付加価値のつくりかた」は、給与はなかなか上がらないにもかかわらず、物価が急上昇していく厳しい時代を生き抜くための「最低限の教養」となるでしょう。

一般的な付加価値の考え方において、次のような計算式があります。

・控除法:付加価値=売上高-外部購入価値(原材料費・運送費・外注加工費など)

・加算法: 付加価値=経常利益+人件費+賃借料+減価償却費+金融費用+租税公課

しかし、これらの計算式を覚えただけでは、「付加価値をつくる人」にはなれません。これらはあくまで売り手としての計算式だからです(もちろん控除法、加算法で考える場面もあります)。

価値を感じる主体は、「お客様(相手)」です。付加価値をつくる起点になるのは、「価値とは何か?」を知ること、つまり、お客様を理解することなのです。付加価値の控除法、加算法の計算式で考えてしまうと、価値という観点で考えにくくなるのです。「お客様はどんなことに価値を感じるのか?」という点に集中する。それができれば「付加価値をつくる人」になる第一歩が踏み出せます。

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