
日本の子どもの幸福度や自己肯定感の低さが、たびたび話題になっている。調査結果だけを見て「日本の子どもは幸せではない」と決めるつけるのはよくないが、さまざまなデータを比較してみても「日本の子どもたちがよい状態とはいえない」ことはわかる。子どもたちが心身ともによい状態でいるため、すなわちウェルビーイングを高めるために、私たちはいったい何ができるのか。そう自身に問いながら執筆活動を続ける教育ジャーナリストの中曽根陽子氏に、私たち大人ができることについて考えてもらった。
OECD加盟国中「幸福度」が下から6番目の日本
皆さんはウェルビーイング(Well-being)という言葉を聞いたことがありますか? 最近は、割と耳にするようになってきたと思うのですが、いったいそれが何を意味するのかわからないという方も多いかもしれません。
ウェルビーイングとは、世界保健機関憲章前文には「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあること」とあります (日本WHO協会訳)。つまり、「よい状態である」と言い換えてもいいでしょう。

中曽根陽子(なかそね・ようこ)
教育ジャーナリスト/マザークエスト代表
小学館を出産で退職後、女性のネットワークを生かした編集企画会社を発足。「お母さんと子ども達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの書籍をプロデュース。その後、数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストとして紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエーティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。「子育ては人材育成のプロジェクト」であり、そのキーマンであるお母さんが幸せな子育てを探究する学びの場「マザークエスト」も運営している。著書に『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)、『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)などがある
(写真:中曽根氏提供)
教育ジャーナリスト/マザークエスト代表
小学館を出産で退職後、女性のネットワークを生かした編集企画会社を発足。「お母さんと子ども達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの書籍をプロデュース。その後、数少ないお母さん目線に立つ教育ジャーナリストとして紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエーティブな力を育てる探究型の学びへのシフトを提唱。「子育ては人材育成のプロジェクト」であり、そのキーマンであるお母さんが幸せな子育てを探究する学びの場「マザークエスト」も運営している。著書に『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)、『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)などがある
(写真:中曽根氏提供)
このウェルビーイングが、OECD(経済協力開発機構)の教育の2030年のゴールにもなっているということを、以前の記事で書きましたが、自分自身そして社会のウェルビーイングを実現するために、自ら行動できる意志を持った人を育成することが、世界の教育の目標になっているのです。実は、日本の学習指導要領もこの流れに沿って考えられてはいるのですが、明確にウェルビーイングという表現は入っていません。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事