トレンド不要?激変する「主婦消費」の真相 流行に敏感なあの"Mart族"の意外な変化

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ある時、札幌に住んでいる転勤ミセスに北海道のどこがおすすめか話を聞いたら、必ずしもいろいろなところへ行かなくて楽しめる方法もある、と言うんです。ご本人いわく「限られた日数で、慌ただしく北海道を回るよりも、札幌の周りだけでも北海道的なものはいくつもある」と。この発想は、他のところから来た人の悩みをよく知ったものなのだろうな、と思ったんですよ。

これからの雑誌に求められる役割

――新しくその地域の情報を、編集しなおしている、という感じもします。

そうですね。よく、東京からいろいろなところへイベントで出かけていくと 「私たちのことなんて他人事と思ってるんでしょ」なんて言われたりしてショックを受けるんですが、でも、そう言われていてはいけないと思うんです。

東京が地域のお手本になっているなんて、思ってはいけないし、実際にそうではなくなっています。地域密着はこれからの雑誌にとって、非常に重要なテーマになってくると思います。まだまだこれからですが、われわれにとって、これからのチャレンジだと思っています。

――いま、『Mart』創刊10周年イベントとして、各地でイベントを行われています。これにも地域密着という視点があるのでしょうか。

そうですね。今やっているのは「手作りフェス」というものです。あるとき福岡で主婦の方と話をしていたら、フリマに代わるものとして、手作りフェスをやっていると言うんです。なんで、フリマではだめなの? と言ったら、フリマは、人の使い古したものだからイヤだと。でも手作りは、作ってくれたもの、創造して作られたものだから、そっちのほうがいいと。過去にあった手作りビーズブームともまた違う、最近の新しい流れですね。

地域と雑誌の関係はどうあるべきか。先ほどもすこしお話しましたが、今は、東京で流行っているものとか、もっとさかのぼれば単純に海外のものを紹介するとか、そういう時代ではないんですね。手作りアクセにしても、たとえばららぽーとのある横浜と千葉、甲子園と、それぞれの地域でニーズが違うんです。そういう違いがリアリティだとすれば、やっぱり雑誌は、地域にどれだけ目を向けているものなのかということが求められてくるのかな、という気がしています。

吉川 明日香 東洋経済 編集者

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よしかわ あすか / Yoshikawa Asuka

早稲田大学商学部卒業後、2001年に東洋経済新報社に入社。記者として食品、建設、精密機械、電子部品、通信業界などを取材し、『週刊東洋経済』や『会社四季報』等に執筆。2度の産休・育休を経て復帰。2012年秋の東洋経済オンラインリニューアルより、同編集部。2016年4月から東洋経済オンライン副編集長、2020年10月から東洋経済オンライン編集長。2023年4月より編集部担当部長。

 

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