トレンド不要?激変する「主婦消費」の真相 流行に敏感なあの"Mart族"の意外な変化
それは『Mart』だけじゃなく、ほかの女性誌もそうです。情報の出し方というものが非常に変わってきている気がします。
ママ向けのファッション誌『VERY』もそうでしょうね。ファッション誌だからといって、トレンド情報だけかというと今はそうではありません。「こういうヘアスタイルで、出かけられますか」など、具体的にライフスタイルを見直す目線の方向で企画を提案したりするんですが、それはヒットアイテムだけの情報ではないわけです。
主婦たちが求める、モノの裏にあるメッセージ
――ファッション誌ですから、何がこの春夏のトレンドなのかといった最新情報にニーズがありそうなのに、意外です。
そう考えると、いま雑誌に求められているのは、何が新しいかとか、なにがおもしろいかというニュースを伝えるということだけでなく、どう生活し、どう生きるか、といった考え方を提案することなのかなとも感じたりもしています。
――最近、ファッション界では世界的に「ノームコア」と呼ばれる、カジュアルでシンプルな服装が流行していますが、それだけではなく、もっと大きな消費者の意識の変化が背景にある、ということなんですね。ちなみに、家中のものを減らす「断捨離」ブームも同じ流れでしょうか。
これも、極端にものを減らすのが目的というよりも、自分と向き合う上において大事なものはなんなんだろうという、ひとつの「ものの探し方」という気もしますね。必ずしもハウツーが求められているわけでもないんですよ。もっともっと、マインドというか、内面に近い話というか。
たとえば最近、『Mart』で取り上げたんですが、「メッセージ雑貨」(クッションやポスターなどの雑貨にアルファベットでメッセージが書かれたもの)が人気なんですね。以前人気だったのはロサンゼルスとか、サンフランシスコとか、ちょっとしたロゴが入ったものだったんですが、今はメッセージ性が重視されているんです。たとえばニューヨークのHOLSTEE(ホルスティ)社という会社のマニフェストだったり。以前にはなかった傾向ですね。
――「THIS IS YOUR LIFE , DO WHAT YOU LOVE…」という書き出しのポスターですね。生き方について真剣に考える感じのメッセージですね。
ええ、勇気付けられるとか、癒されるとか、そういう言葉がキーワードになっていたりするんです。自宅に飾るのに、ロゴがおしゃれだからというだけではなく、それよりも自分の生き方とか生活にしっくりくるか、といったことが重視されています。
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