トレンド不要?激変する「主婦消費」の真相 流行に敏感なあの"Mart族"の意外な変化

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

得意の「おもてなし」にも大きな変化が!

主婦のおうちパーティにも変化があります。『Mart』では「おもてなし」をよく取り上げてきて、『Mart』といえばおもてなし、と言われるくらいです。でも、そのスタイルが変わってきているんです。

主婦の方の間では持ち寄りパーティがよく行われるのですが、招く側のホストはもちろん、招かれる側も何を手作りして持参しようか、容器は何に入れようか、などけっこう悩んできたわけですよ。でも最近は明らかに変わってきていて、もう料理自体、作らなくてもいいんじゃないか、なんていう動きもあったりします。

――激しくこだわっていた過去からすると、それは大きな変化ですね。パーティの日に、みんなで朝からコストコにお惣菜やピザを買いに行って、一気に買ってきて終わり、みたいな?

そうなんです。でも、先ほどお話した「内面を大事にする」という流れから見ても、それ、ちょっとおかしいんじゃない? 出来合いのものでパーティを簡略化したいのか、と思うじゃないですか。でも、それが違うんです。よくよく読者の話を聞いていくと、料理を作るというプロセスで力を使い果たすということがナンセンスで、それだったら外で買って、みんなで話すことになるべく力を割きたい、ということらしいんです。

従来はおうちパーティのホストがご飯ものを出して、私はサラダを持っていって、ある人は手作りブラウニーを焼いてきて、みたいな感じだったんですが、それだとそれらのプレゼンでパーティが終わってしまう。「ブラウニーって、これどうやって作ったの?」とか「この、ドレッシングいいわね」みたいな、わりと表層的な会話に終始してしまうんです。ところが今は、集まった時にする会話自体に、ちゃんと時間を割こうよと。

また、最近は平日のお昼からお酒を飲みたいという声も増えています。『Mart』を創刊した10年前は、主婦が昼間からお酒を飲むのはややタブー視されていました。旦那さんに隠れて、みんなでちょこっと味見している程度だったらありましたが。ところが今は、昼間の主婦の飲み会自体、そんなに後ろめたい感じではなくなっています。

むしろ、それを前向きに考えている、という感じも受けます。あるとき、「なぜ昼間から飲むの?」と主婦の方に聞いたら、「夕方まで主婦同士でお酒を飲んで、いろんな話をして、そこで全てを吐き出してしまうんです。夕方帰ってきた旦那に愚痴を連発するよりも、よほど健全だと思いませんか」と言われました。

トレンドだから昼間からお酒を飲むのではなくて、自分の生活をきちんと考えてマネジメントしている、そうしたことに主婦の方々が目覚めてきているだなと感じますね。

健康は、もっとレジャー感があってもいい

それから、もうひとつ日頃思っていることなんですが。読者は近年、雑誌よりネットがいちばん身近な存在だと感じていたように思うのですが、ところが最近、そうでもないと思い始めているのではないかと。

ネット、SNSといってもブログ、ツイッター、フェイスブック、もっとローカルなものになるとLINEもありますよね。でも読者が、LINEなどネット上で人と話すことと、実際に会って話すことは違うと言うんです。

次ページネット文化の中で起こる、行き詰まり
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事