クルマのDX化「ソニー×ホンダ」の目論見はなにか 「XR」が創り出すクルマと移動の新たな価値

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1つめは、「少子高齢化と人口減少」だ。人口が少なければその分、移動する人が減る。高齢になれば、一般的に外出時間や移動頻度は減少する。運転免許の返納者も増えるであろう。

2つめは、「加速するデジタルシフト」である。移動してまで何かするよりも、スマホの中で完結させてしまうわけだ。これまでの2Dのインターネットや動画、SNSでも人々をある程度、引きこもらせるパワーがあった。

特にデジタルネイティブ世代にとっては、家にWi-Fiがあるのが当然で、手元のスマホやゲーム機は常時インターネットに接続されていることを、まったく意識せず使っている。

もちろん、バーチャルでは物足りないという反論はあるだろう。実際、コロナ禍で多少の話題を呼んだZoomを介しての“オンライン観光ツアー”は、普及しているとは言いがたい。

“Zoom飲み”もすっかりなくなった。いずれも回線速度や技術的問題から、あまり没入感を得られなかったためだろう。しかし、今後さらなる技術発展で3Dが一般化すれば、2Dとは比べ物にならない没入感を得られるようになる。

Zoomではなくメタバースならば、ボディランゲージや表情などの非言語コミュニケーションも、よりリアルに感じられる。そのような空間が広がれば、外に行かなくても楽しむ方法はより多様化するだろう。

日産は2022年5月、新型車「サクラ」のお披露目をメタバースで行った(写真:日産自動車)

「外出をしない暮らし」が当たり前に

3つめの理由は、コロナ禍による「外出をしないライフスタイル」の確立である。コロナ禍を経験することで、人々は外出頻度を減らすライフスタイルを築いた。もちろん個人差はあるが、在宅勤務が定着した人も多い。それに伴って、通勤・出張・打ち合わせなども減っている。

生活面では、大勢で集まっての食事会やカラオケ、スタジアム観戦、ライブ観覧、国内外の旅行が減った。その代わり増えたのが、YouTubeやNetflixなどの動画視聴時間だ。移動しないことで浮いた時間が、インターネットの海に吸収されたことになる。

4つめは「日本の稼ぐ力の低下」だ。

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