事故を起こしても車が直らない日本未来の危機 自動車整備学校入学者が激減、整備士が不足に
整備要員の平均年齢(自企業の保有する車両の整備を行う事業所を除く)は前年度より0.7歳上昇して46.4歳となっている。ここにも高齢化の波は押し寄せている。
数字だけを見ると「減っているといっても微減ではないか」との印象を受けるが、自動車整備学校への入学者数を見るとそうは言っていられない。国交省の資料が2003年度から2016年度までの自動車整備学校への入学者数の推移を紹介しているが、急カーブで減少している。
2003年度(1万2300人)と2016年度(6800人)を比較すると44.7%もの大激減である。同期間の高校卒業者数の下落率は17.3%である。自動車整備学校入学者数の落ち込みがいかに大きいかが分かるだろう。
2012年度から2016年度にかけての自動車整備の有効求人倍率を見ても、各年度で全職種を上回り、年を追うごとにその差は拡大している。人材不足が年々深刻化していることを示すデータだ。
自動車整備学校入学者数の低迷は現在も続いている。関係者によると、2020年度は入学者数が約6300人だ。学科試験の申請者数も2005年度の7万人から3万6630人へとほぼ半減している。事態を重く見た国交省は整備士の仕事を紹介する啓発ポスターを作成したり、有識者会議で打開策を検討したりしている。
若者はなぜ整備士を目指さないのか
整備士を目指す若者が激減傾向をたどる背景には、少子化の影響に加えて、若者のクルマ離れや低賃金、過重労働のイメージが定着していることがある。
ちなみに、警察庁の運転免許統計によれば2021年の20代の免許保有者数は1002万4557人で、2001年の1569万9659人より567万5102人、36.1%も低い水準だ。クルマ離れがいかに深刻かを裏付ける数字である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら