トランプ現象を受けて米国の保守思想再編を目指す「国民保守主義(ナショナル・コンサーバティズム)」の運動が形を整え出した。経済のグローバル化や安全保障での過剰な対外関与で国民が疲弊し、その怒りに乗ってトランプ前大統領が登場。そのため政治と社会の混乱が生じたとの認識から、運動が始まった。
近年は、格差拡大の思想的背景となった新自由主義や、米国の過剰な対外関与をもたらした新保守主義(ネオコン)を排除し、保守思想変革を目指す動きが保守系知識人の間で続いてきた。2019年7月には数百人が首都ワシントンで「国民保守主義会議」の名の下に集結、以来、3回の総会を開くなどして新たな思想を模索してきた。トランプ現象を保守再編のチャンスとみてきたが、トランプ個人とは距離を置く傾向がある。
「賢いトランプ」評価にも変化
中間選挙を前にしたこの9月にはフロリダ州マイアミで第3回総会を開催、デサンティス同州知事を初日の基調講演者として招いた。知事はコロナ禍の中でもマスク着用やワクチンパスポート提示を義務化せず、フロリダ州経済の好調を維持したなどの成果について講演し、大喝采を浴びた。
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