令和でも流行「ギャル文字」意外に根強い人気の訳 10代を中心に「ギャル文字の加工アプリ」が流行

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そのような点を踏まえて、ポケベルの暗号とギャル文字と比較してみると、ポケベルの暗号は幅広い世代で使用されていた一方、ギャル文字はあくまでも女子高生を中心に流行っていたというのがわかる。

また、2000年頃にギャル文字と似たような暗号を使った文化で「トンパ文字」も女子高生の間で流行した。「トンパ文字」とは、ナシ族(中国のチベット東部や、雲南省北部に住む少数民族の1つ)に伝わる象形文字の一種のことだ。爆発的に広がったわけではなかったが、それでも女子高生たちは文字を組み合わせながら、やりとりを楽しんでいた。

ギャル文字もトンパ文字も、流行した当時の文化を俯瞰してみると、短い言葉や文字を組み合わせてメッセージを送信し、返信を待つといったところは、和歌の修辞技法のようなどこか古典的な要素さえ感じてしまう。

一文の中にある相手を思う気持ち

また1990年代に女子高生の間で流行した「長文ヘタウマ文字」にも言えるのだが、ギャル文字も「女子高生の間の流行」という以前に、すべてはメッセージを送る相手に楽しんでもらいたいという思いからきている。

もちろん、作成した文字自体が単純に「かわいくて今っぽい」という思いや、仲間内での集団的な帰属意識もあるかもしれないが、いちばんにあるのはメッセージを送る相手との楽しいコミュニケーションなのだ。

大人になってから当時の文化を振り返ると、「長文ヘタウマ文字」や、ギャル文字はやや嘲笑的な文化として扱われてしまいがちだ。だが、令和になってもたびたびギャル文字が話題に上がるというのは、ギャル文字の見た目の可愛さや一生懸命作った温かな感じが、形式的なメールが多くなる私たちにとってどこか新鮮に映るというのも理由の1つにあるのかもしれない。

Tajimax ライター・コレクター

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たじまっくす

東京都出身。2018年からSNSを中心に90年代〜00年代の平成ガールズカルチャーを紹介している。『オリコンニュース』『現代ビジネス』『ビジネスジャーナル』などで平成ガールズカルチャー関連のインタビュー取材ほか、「アーバンライフメトロ」などのウェブサイト、「クイック・ジャパン」に寄稿。90年代〜00年代の平成ガールズカルチャーのコレクターでもあり、古雑誌をメインに膨大なアイテムを所有している。

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