京急品川駅、「都心の玄関口」の裏側に何がある? 引き上げ線の“新品川駅"周辺も大規模工事中

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通勤通学客にとってなじみのある品川駅とその周辺はいま、風景が大きく変貌しようとしている。

同駅を挟む泉岳寺―新馬場間の約1.7kmで東京都による連続立体交差事業が予定されている。事業期間は2029年度まで。八ツ山通りなど3カ所の踏切を高架化により除却する。北品川は高架駅になる一方、品川はJR在来線と同じ高さに下げて地平化、2面4線の駅となる。撮り鉄の名所としても知られる八ツ山鉄橋は同事業によって撤去される計画だ。

これらに伴い、高架下にラーメンの有名店などを集めた「品達品川」は、2020年3月末に営業を終了した。2004年のオープン以来、とくにランチ時間帯には周辺のオフィスで働く人たちでにぎわっていた。また、1番線のホームの駅そば店「えきめんや品川店」は、次の列車を待つ間に食事が済ませられる貴重なスポットだったが、2022年9月中旬に閉店した。

変化してきた品川駅

太田芳孝駅長は品川駅の特徴について「通勤通学や、羽田空港と行き来するためにJRとの乗り換えのお客さまが多い。三浦半島への観光の拠点にもなっている」と説明する。太田駅長は1980年入社の大ベテラン。「品川駅の様子がいちばん変わったのは1998年に羽田空港駅が開業して大きな荷物を持った乗客が目立つようになったこと。それがまたコロナでガラッと変わった」と振り返る。現役の運転士だったころからみると、ビルが建ち並ぶ港南口の発展ぶりもめざましいという。

京急品川駅長
京急品川駅の太田芳孝駅長(記者撮影)

高輪口の第一京浜(国道15号)の向こう側では、駅前のシンボルだった商業施設「シナガワグース」(旧ホテルパシフィック東京)が2021年3月末に閉館、同年秋から解体作業に入っている。跡地はトヨタ自動車との共同事業で、オフィスや高級ホテルなどが入る大規模複合施設に生まれ変わる予定だ。

京急沿線から毎日都心に通勤通学する人や、地方から上京した人にとってはさまざまな思い出が詰まった品川駅。慣れ親しんだ駅の風景も見納めとなりつつある。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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