金正恩氏がミサイル試射に“娘"を帯同した理由 北朝鮮「代を継いで」自衛力を高めるという意志か
北朝鮮は2022年11月18日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したが、北朝鮮の朝鮮中央通信は11月19日、新型ICBM「火星17」の試射が、金正恩総書記の現地指導により行われたとの記事を配信した。
この記事とともに23枚の写真も配信されたが、その中に白いコートを着た、金総書記の娘と思われる少女が映っている写真が5枚あり関心を呼んでいる。
韓国側などの情報によると、金総書記と李雪主夫人との間には、2010年に息子、2013年に娘、そして2017年に性別がわかっていない子どもがいるという。また、2013年に全米プロバスケットボール協会(NBA)の元スター選手であるデニス・ロッドマン氏が訪朝して金総書記と会った時の話として、「金正恩氏の家族とリラックスした時間を過ごし、チュエ(JuAe)という名前の娘がいる」ことを明らかにしている。
娘は2013年生まれの「チュエ」
これらの情報が正しいとすれば、今回登場した少女は2013年生まれの「チュエ」さんということになるだろう。朝鮮中央通信が今回配信した記事にも、「歴史的な重要戦略兵器試射場に愛する子と女史(引用者注・夫人)とともに自ら出向いて試射の全過程を直接指導して」とある。
発射から1時間ほど飛行したほどのICBMの発射は、北朝鮮にとって画期的なことだったのだろう。こういった現地指導では、金総書記は李夫人とともに赴くことは何回もあったが、子どもとともに行ったのは今回が初めてだ。
今回、現地で金総書記が母子とともに指導する光景を見せることで、北朝鮮の立場と論理を北朝鮮的な修辞で言えば、「敵対するアメリカには、代を継いで妥協・譲歩することなく自衛のための準備を重ねていくという意志を見せるため」となるだろう。
祖父・金日成、父・金正日、そして金総書記と続く政権とその対外政策は、子どもの代にも受け継がせるのだという意図が垣間見える。
北朝鮮は2022年になりすでに60発あまりのミサイルを発射した。2021年に6発、2020年に8発だったことと比べると、かなりのハイペースだ。
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