残念なマーケティング担当者に見られがちな特徴 社内調整の高い人材を置けない会社は考えが甘い

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マーケティング担当者
他部署と衝突してしまうような組織設計が根本的な問題だ(写真:Graphs/PIXTA)

会社でマーケティングを担う組織について、他部署の社員が「何の成果を出している組織なのかわからない」というケースがある。マーケティング組織は得てして、どのような成果を目指して活動しているのか、そのために日々何をしているのか、曖昧になりやすい。これがなぜなのかを、BtoB企業を例に解き明かそう。

拙著『BtoBマーケティングの定石~なぜ営業とマーケは衝突するのか?』でも詳しく解説しているが、マーケティングの部署が成果に繋がらない曖昧な仕事ばかりに傾倒してしまうと見られがちなのは、営業を始めとする他部署と衝突するような組織設計をしてしまうことが最大の要因である。

マーケティング組織が浮世離れする原因

まず理想的なマーケティング活動の前提になる「顧客視点」について考えてみよう。顧客は「商談前」「商談中」「購入後」という体験を、連続した出来事として捉える。「企業視点」では、別の部署が担当していたり、対応履歴が残っていなかったりで、対応がバラバラになりがちだが、「顧客視点」では一貫した体験が期待されるのだ。

体験が連続していないと、例えば「商談前の担当を信頼していたのに、違う人が営業に来た」「買う前にお願いしたことが、サポート担当に引き継がれていない」などの、さまざまなネガティブな反応を引き起こす。

理想のマーケティング活動では、「顧客視点」にコミットすることが求められる。サイロ化されて「企業視点」に陥りがちな他部署に対して、働きかけを行うことが必須だ。しかし組織間の壁が高すぎる場合や、組織の壁を打ち破る力がマーケティング組織に備わっていない場合、このような理想は実現されない。マーケティングがうまくいくかどうかの肝は、マーケティングを担う組織の作り方にあると言っても過言ではない。

よく見かける組織設計の失敗例の1つは、マーケティングの定義を狭く捉えすぎた経営者が、局所的な役割だけを任せるパターンだ。組織の目的を「リード(見込み客)獲得」や「認知獲得」などに限定してしまい、「Webサイト運営」「広告出稿」「セミナー企画」など営業の手前までの業務を担当する組織が作られる。

確かに営業の手前の業務は企業にとって必要だが、これらは本来のマーケティング活動のごく一部にすぎない。理想のマーケティング活動に照らせば「営業に顧客を引き渡せば仕事が終わり」となるはずがない。

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