仮想通貨のリーマンショック、FTX破綻騒動の顛末 業界一の「優等生」が突然破綻危機に至った経緯
セコイア・キャピタル、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズ、ソフトバンクを含むFTXの投資家は、ほとんどの場合、投資額のほとんど、またはすべてを失うことになる。また、FTXが仮想通貨経済圏にどれだけ影響を及ぼしていたかを考慮すると、損害の全容が判明するまでにはしばらく時間がかかるかもしれない。
もちろん、ウォール街の崩壊が世界的な金融危機に発展し、何百万人ものアメリカ人が職と家を失った2008年とは対照的に、FTXの崩壊による影響は仮想通貨業界内にほぼ収まることが見込まれる。しかし、それを判断するのはまだ早い。
バンクマン=フリード氏はすでに億万長者ではない
最後に、バンクマン=フリード氏はどうなるのだろうか。今週まで、彼は誰もが認める仮想通貨の帝王であり、民主党の候補者やそのキャペーンに多額の寄付をしたおかげで、アメリカ政治においてますます強大な力を持つようになっていた。
バイナンス売却前に150億ドル以上と推定された同氏の財産は、慈善団体(彼は効果的な利他主義運動への主要な寄付者でもある)、メディア組織(同氏はSニュースメディア、セマフォーの投資家である)、仮想通貨業界内外の企業(同氏は株式取引アプリ、ロビンフッドの大株主である)を支えてきた。
バンクマン=フリード氏の仮想通貨の大物としての日々は終わったかもしれない。(8日にブルームバーグは、彼の純資産が94%減少し、もはや億万長者ではないと推定している)。だが、仮想通貨投資家にとってより大きな問題は、同氏の帝国だけが異常にぐらついていたのか、それとも最初に倒れただけなのか、ということだ。
(執筆:Kevin Roose、テクノロジー・コラムニスト)
(C)2022 The New York Times
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら