仮想通貨のリーマンショック、FTX破綻騒動の顛末 業界一の「優等生」が突然破綻危機に至った経緯
・この報道の後、ジャオ氏はアラメダとFTXに関する「最近の暴露」を理由に、バイナンスが保有するFTTトークン(約5億ドル相当)の全株を売却すると発表した。この発表により、FTTの価値は急落した。
・資金を失うことを恐れた投資家たちは、3日間でFTXの取引所から60億ドル以上を引き揚げ、同社は債務をカバーするための資金集めに奔走することになった。バンクマン=フリード氏は投資家を安心させようと、「FTXは大丈夫だ」「競合他社がデマでわれわれを追い込もうとしている」などとツイートした。
しかしパニックは続き、個人投資家からの救済を手配しようとして失敗した後、バンクマン=フリード氏は11月4日に会社(FTX.usとして知られるアメリカの規制部分を除く)をジャオ氏とバイナンスに売却すると発表した。
バイナンスは買収はできないと判断
・11月9日、バイナンスは考えを変え、同社の帳簿を調べた結果、FTXの 「問題はわれわれのコントロールや手助けできる範囲を超えている」と判断し、取引から手を引くと発表したのだ。
この騒動は、ジャオ氏とバンクマン=フリード氏が積極的に使っているツイッター上でリアルタイムに展開された(ちなみに、ジャオ氏は先週の時点で、ツイッターの株主でもある。バイナンスはイーロン・マスク氏がツイッター買収する際、5億ドルを投じている)。
ツイッター利用者はFTXの崩壊のニュースに動揺し、FTXの従業員と投資家は何が起こったのか理解しようとした。バンクマン=フリード氏は、投資家への手紙の中で、よりよい予防措置を取らなかったことを謝罪した。「もっとうまくやらなかったことを申し訳なく思っています」と彼は書いている。