仮想通貨のリーマンショック、FTX破綻騒動の顛末 業界一の「優等生」が突然破綻危機に至った経緯

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・一方、ジャオ氏は反逆者として知られている。同氏は仮想通貨の規制強化を求める声に抵抗しており、バイナンスは適切な免許なしで運営されているため、いくつかの国で利用を禁止されている (規制当局からの圧力を受けて、バイナンスは 2019 年にアメリカのユーザーをメインのプラットフォームからブロックし、Binance.us を設立した。これは、アメリカで合法的に運営されることを意図した別の取引所だ)。

・今年、仮想通貨業界がワシントンでの監視の目にさらされる中、バンクマン=フリード氏とFTXはアメリカ議会でロビー活動を開始し、懐疑的な議員を味方につけて仮想通貨に優しい規制を導入するために数百万ドルを費やした。

こうしたロビー活動には賛否両論がある。一部の仮想通貨ファンは、FTXの規制強化の動きを支持したが、他のファンはバンクマン=フリード氏が競合他社を傷つけながらもFTXのビジネスをそのまま残すような法律を推進し、他の暗号業界を投げ捨てようとしていると非難した。

規制強化をめぐって対立するように

・ジャオ氏は、FTXのロビー活動推進に異議を唱えた人物の1人だ。「他の業界関係者に背を向けてロビー活動をする人たちを支持するつもりはない」と同氏はツイッターに書き込んだ。バイナンスはFTXの初期投資家であり、昨年FTXの株式を売却した際には、FTXの取引所のネイティブ仮想通貨トークンであるFTTトークンを大量に受け取っていた。だが、2人の億万長者は、会社の目標が分かれるにつれて疎遠になった。そして今、ロビー活動をめぐって2人は公式に対立している。

・先週、仮想通貨専門メディアの「CoinDesk(コインデスク)」は、バンクマン=フリード氏が運営するトレーディング会社、アラメダ・リサーチがFTTトークンを大量に保有していたと主張するリーク文書について報告した。

この報告書は、名目上別個のビジネスであるFTXとアラメダが、実際には密接に関連していたことを示唆した(一部の仮想通貨ウォッチャーは、ジャオ氏とバイナンスが、FTXの安定性に疑念を抱かせるために文書をリークしたのではないかと推測しているが、バイナンスはこれを否定している)。

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