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無名でも「鉄道業界で圧倒的シェア」どんな会社? その製品を車内で見たことがない人はいない

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民営化したからには、グループ会社はJR以外からも稼がなくてはいけない。こんなJR西日本の方針もあり、関西工機整備はほかの鉄道会社向けの印刷にも力を入れることになった。もっとも、同社の大森正樹印刷事業部長は、「多くの鉄道会社は、車内のシールを当社が作っているとは知らないでしょうね」と笑う。

SOSボタン、非常用ドアコック、優先座席、禁煙マーク、最近では「抗ウイルス抗菌処理済」。列車内には実に多くの案内サインが貼られている。こうしたサインは乗客へのわかりやすさが最優先される。関西工機整備の強みは、JR系であり鉄道会社のニーズを熟知していることにある。

JR東日本や西武のエンブレムも

同社は車内の案内サイン以外の製品も作っている。たとえば、車両外観のラインやエンブレム、そしてラッピング。JR西日本でいえば、特急「サンダーバード」に使われる683系のラインや寝台特急「サンライズ」285系のエンブレム、特急「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス) 銀河」や観光列車「花嫁のれん」のラッピングが挙げられる。JR西日本以外では、JR東日本の「ナマハゲACCUM(アキュム)」や西武鉄道の特急「Laview(ラビュー)」のエンブレムなどを手掛ける。

JR西日本の観光列車「花嫁のれん」(撮影:尾形文繁)

鉄道車両以外では駅構内の柱や床面などさまざまな場所に貼られているサインのほか、時刻表や路線図も印刷している。近年では、時刻表と似たデザインのカレンダーやヘッドマークレプリカなど鉄道ファン向けの商品も制作する。「我々は本物を作っているメーカーなので、本物のイメージを損なわないものが作れるのが強み」(大森部長)。

同社の印刷事業の拠点は神戸市にある。その売上はおよそ3.3億円で、そのうちの約半分がJR西日本以外からの売上だという。2022年3月期の同社の売上高は12億円であり、売上全体の4分の1を印刷事業が稼いでいることになる。

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【JR西日本以外の売上増加が課題】

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