話を聞いてもらいたい人は帰り道をうまく使おう うまく話せなくても聞いてもらえる4つの技術
「うまくしゃべる技術」ではない
「聞いてもらう技術」。ふしぎな響きです。
最初に断っておくと、それは「うまくしゃべる技術」ではないと僕は考えています。
話を聞いてもらえないときに、僕らはついつい自分のしゃべり方が悪いからだと思ってしまいますが、大きな間違いです。
TEDトークやYouTube、あるいはビジネスのプレゼンであれば、「うまくしゃべる技術」が必要でしょう。
売りたい商品の魅力、あなたのアイディアのおもしろさ、あるいは自身の素敵さを、うまく表現して、人々に「いいね」と思ってもらう必要があります。
「うまくしゃべる技術」は自分の強みを伝えるためのテクニックです。
だけど、今僕らが必要としているのは、強みではなく、弱みを、カッコいいところではなく、情けないところをわかってもらうための技術です。
ですから、要点をまとめて、ロジカルに、わかりやすく話す必要はありません。苦しんでいることについては、人はうまく話せないものだからです。
必要なのは賢い頭ではなく、戸惑う心です。
混乱した心が漏れ出すと、まわりは心配して、「なにかあった?」と聞いてくれます。そうなってしまえばしめたもの。あとはまとまりのない話を、時間をかけて聞いてもらえばいい。
ですから、「聞いてもらう技術」とは「心配される技術」にほかなりません。
まわりに「聞かなくちゃ」と思わせる。
このとき変化するのは、自分ではなく、まわりです。環境を変質させるのが「聞いてもらう技術」の本質です。
では、具体的にどうすればいいのか?
もちろん、そんな技術は臨床心理学の教科書にも書かれていません。ですが、僕もカウンセリング一筋で15年やってきたわけですから、多少の蓄積があります。これまでの経験で見聞きしてきた小手先を、以下にお示ししたいと思います。
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