柔軟剤でスメハラに?ニオイを巡る法律問題

職場で使用をやめるよう言われたら?

「『匂い』は人により、いい匂いに感じたり、悪臭に感じられたりします。他人にとって不快に思われる匂いを発した場合、それが『受忍限度』を超えていれば、『違法行為』となり、慰謝料の支払いを命じられることも、理論上はあり得ます」

法的な責任を問えるかどうかは、客観的にみて「受忍限度」、つまり我慢の限界を超えているかどうかがポイントのようだ。

「一般的には、市販の柔軟剤を使用した服をオフィスで着ている程度で、『受忍限度を超える臭気』とされることは、なかなかないと思われます。したがって、人間関係としてどうかはさておき、『匂いが気になる』と言われたからといって、柔軟剤の使用を止める必要は、法的にはないでしょう」

相手が体調を崩したような場合は?

ただし、藤田弁護士によると、注意すべきケースもあるという。

「たとえば、相手が『化学物質過敏症』にかかっていて、柔軟剤に含まれる化学物質に反応して症状がでるなどの事情があれば、注意が必要です。

そのような健康被害が起きていることを理由にして『使用を控えてほしい』と言われていたのに、無視して柔軟剤を使い続けて、相手の健康を害した――。もし、こうした場合であれば、法的な責任が生じる可能性もあります」

藤田弁護士は「臭気を巡る法律問題は、意思疎通が不十分なことから、こじれることが多いです。トラブル回避のためには、どういう理由から使用を控えてほしいのか、しっかり話し合うことが、重要でしょう」と述べていた。

藤田 城治(ふじた・じょうじ)弁護士
第二東京弁護士会・環境保全委員会、関東弁護士会連合会・環境保全委員会委員。個人・企業を対象とした各種民事・刑事事件を扱っているほか、事務所の弁護士各自が野生動物・自然環境の保護にも取り組み、イリオモテヤマネコ等の保護活動を行っている認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金(http://www.jtef.jp/)をサポートしている。
事務所名:森の風法律事務所
 
 
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