9月のCPIは前年同月比3.0%上昇と伸びが加速 3%乗せは1991年8月(3.0%上昇)以来31年ぶり

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円安によるコスト転嫁さらに続く

 

エコノミストの見方

第一生命経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミスト:

  • 食料品価格がかなり伸びていることやエネルギー価格の高止まりが要因。原材料価格上昇と円安によるコスト増の価格転嫁進展が食料品価格の押し上げに効いている。最近は円安要因が大きくなってきている
  • 価格転嫁できていないところもまだ残っているので、円安によるコスト増の価格転嫁はこれからも続く見込み
  • 先行きは全国旅行支援がCPIに入るかどうかでだいぶ変わる。旅行支援要因を除けば10月のコアは9月より明確な上昇となろう。携帯料金の押し下げ要因が剥落、食料の押し上げがさらに強まり3%を軽く上回るだろう
  • 政府側が物価上昇を問題視して金融政策を変えた方がいいという話が強まらない限り、日本銀行側からアクションを取ることはしばらくないだろう。引き続き金融緩和を続けることになろう

詳細(総務省の説明)

  • 9月のコアCPI前年比の上昇品目数は74%だが、1991年は年間で80%以上の品目が上昇していたとの分析がある。当時はサービス価格も上昇
  • 生鮮食品除く食料は41年1カ月ぶりの大きい上昇幅。ポテトチップスやアンパン、冷凍調理コロッケなどが押し上げに寄与
  • 家庭用耐久財の前年比11.3%上昇は75年3月以来、47年6カ月ぶりの大きい上昇幅。メーカーからも円安の影響が出ているとの指摘がある
  • 円安の物価押し上げ効果は輸入部分に出ており、今後、エネルギー価格や輸送費などに影響が出てくる可能性がある
  • 9月のエネルギー価格の前年比伸び率は前月から横ばいだが、電気代は10月も伸び拡大が見込まれる一方、ガソリンは今後縮小に転じる可能性がある。両者で異なる動きになる可能性
  • 携帯電話通信料については昨年の値下げの影響が10月には全てはく落する。10月にはコアで0.24%ポイントの押し上げ効果が見込まれる

--取材協力:.

(総務省の説明を追加して更新しました)

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著者:伊藤純夫

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