直撃!ふなっしーの"一梨"マーケティング なぜ人気者になれたなっしー?
広告やテレビ業界では「梨の奇跡」と呼ぶ人もいる。なにって、ふなっしーの大ヒットだ。
事務所にも所属しない、マネジャーもいない。ヘアメイクは要らないにしても、あの妙におもしろいしゃべりを考える放送作家もいない。ルームランナーの上を、運動能力の高いナゾの黄色い物体が走る自作のプロモーションビデオを世に放って3年。活動のほぼすべてをたった“一梨”(一人ではなく)でマネジメントしてきた。
そうして今や、ご当地キャラ界を代表するトップアイドル梨に。世に出たコラボグッズは数知れず。全国で初めての常設のオフィシャルショップ「ふなっしーLAND」も、この3月に聖地・船橋(千葉)の「ららぽーとTOKYO―BAY」にオープンする。
研究熱心さはダントツ
「十六茶」のCMにその他大勢で出演してからわずか1~2年で、富士フイルム、マイナビ賃貸などのCMで、次々と大役を務めた。今や海外にもファンの裾野を広げ、噂される“経済効果”は、2014年には「8千億円」とまで言われるほどハイパーに上昇中だ。奇跡はなぜ起こったのか。
「ご当地キャラというのは、たいていアテンドしてくれる人がいて、質問には代わりに答えてくれるもんなっしー。でも梨にはそんなアテンドはいないから、自分でしゃべるしかなかったなしな。
どうせテレビに出られるのは半年くらい。いい記念と思って、何でもやったなしな。ファンをもっと笑わせたいし、子どもたちをもっと喜ばせたいなっしー。ただそれだけ。どこのイベントでも呼ばれれば手弁当で行くなっし。学祭のノリなしなー。義務感はゼロ。趣味みたいなもんなっしー。そんな捨て身の勝利かもなっしな」
存在意義を「人を喜ばせること」だけに集約する。ふなっしーの“一梨マーケティング”の極意はそこにある。さらに人を喜ばせるためのシンクタンク機能も併せ持つ。
ふなっしーは『三国志』などを中国語で読みふけるディープな読書家で、「最近おもしろかった本は、カーネギーの『人を動かす』だったなっし」と言うほど、ビジネス書にも明るい。ブレーク前からふなっしーを知る船橋のタウン誌「MyFuna」の山崎健太朗編集長もこう語る。
「イベントに出れば必ずネットで反響をチェックしていますよね。どんな動きやしゃべりがウケたのかを確認して、次に生かしている。ほかのキャラと比べても、研究熱心ぶりはダントツ」