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米国と日本銀行を変数にする為替介入は難しい 財務省と日銀の平仄合わぬ介入効果は限定的

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約24年ぶりに為替介入に踏み切った政府。その効果は当面の「天井」を築いた程度でしかなかった。

会見に臨む鈴木俊一財務相
約24年ぶりの円買い介入に当たり会見に臨む鈴木俊一財務相(9月22日)(写真:AP/ アフロ)

為替介入は難しい。元首相、安倍晋三氏が披露したマル秘話からも、それはうかがえる。

非公開の会合ということもあり、口が滑ったのかもしれない。凶弾に倒れる3カ月前、今年4月12日に開かれた自民党財政政策検討本部での発言だ。

「円高になったとき、理財局(ママ)に介入させようかということになった。そうしたらホワイトハウスから連絡があって、介入は絶対するな、介入するならオバマ大統領から私に電話させると。それはいかんだろうということで介入はしなかった」

安倍氏が財務省の「国際局」と「理財局」を言い間違えながらも明らかにしたのは、2016年4月の一件についてである。

このとき、為替は1ドル=108円前後。円高・ドル安に振れるペースが速いとして懸念材料になっていた。このような円の動きを見て株式市場も下落。首相官邸は為替介入に踏み切ることを決断し、ひそかに財務省に実施を命じた。

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