結婚相手に「容姿」を求める女性が過去最高の現実 男性は女性に「経済力」を求めるようになった

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結果は、見事なまでに、容姿に自信のある男性ほど年収が高いという結果になりました。

具体的には、容姿4~5評価の容姿に自信あり20~50代未婚男性の平均年収は約503万円、容姿1~2評価の場合は約430万円。その違いは16.8%で、ハマーメッシュ教授の調査結果と完全に一致してしまいました。

このように、男の容姿と経済力は海外だけではなく、日本でも密接な関係があるようです。残酷な言い方をすれば、容姿に無頓着な男は、恋愛や結婚機会がないだけではなく、金も稼げないということになります。

そして、高年収男ほどモテるという相関は正しくても、「金を稼げばモテる」という因果は存在しないことにもなります。むしろ逆で、「容姿に自信のある男は稼げるしモテる」という因果になると考えたほうが妥当性があります。

自分自身への自信を持つことが重要

ただし、この調査における「容姿の良しあし」はあくまで自己採点であるということです。客観的に「イケメン」であるかどうかではなく、主観的に「俺は容姿に自信がある」という認識そのものが重要なのかもしれません。

アメリカの社会学者ロバート・K・マートンが提唱した「予言の自己成就」という言葉があります。根拠のない思い込みであっても、自分自身がその状況が起こりそうだと考えて行動することで、事実ではなかったはずの状況が本当に実現してしまうことです。一種の自己暗示でしょう。

自信を持つべきは「容姿」という表面的なことではなく、自分自身そのものへの自信であり、そのために大事なのは「ああでもない、こうでもない」と考えて何も行動しなくなってしまうことではなく、何事もまずやってみて、失敗も含めて経験値をあげるということなのではないでしょうか。経験値をあげることでついた自信こそが、結果「自分が自信を持てる容姿」を形成していくのかもしれません。

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荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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