それに対して、東大は中学で習うようなレベルの英単語・英文法、もっと言えば小学生でも知っているような英単語を題材にします。
例えば、「order」という英単語を使った問題が2014年に出題されました。「文中のorderという英単語の意味を考えて、その意味と同じ使い方をしているorderを、次の5つの英文から1つ選びなさい」というものです。
「order」という英単語は小学生でも知っています。注文とか命令とか、順番という意味ですね。みなさんもお店で店員さんに「オーダーお願いします!」なんて言ったことがあるのではないでしょうか。
これを東大は、ちょっと捻って出題します。
例えば「alphabetical order」とはどういう意味になるでしょうか?
これは、「アルファベットの順番=A・B・Cの順番」という意味になります。orderには「順番」という意味があると言いましたが、それをアルファベットと結びつけたら答えがわかるはずです。
また、彼女の部屋は「good order」が保たれている、といったらどういう意味かわかりますか? この「order」は「順番」から派生して、きちんときれいに「整頓されている」という意味であり、「彼女の部屋はいつも綺麗に整頓されている」という意味になるのです。
東大は、このように「類推」ができれば受かる入試問題を出題しているのです。
何度も言いますが「order」自体は小学生でも知っているようなポピュラーな単語です。普段「オーダー」と日常の中で使う中で、「そういえばオーダーってどういう意味なんだろう?」と一度でも考えたことがある人なら、解くのは簡単です。
「知識を使いこなす力」を強く求められる時代
東大では「知識ではなくそれを活用する問題」が出題されていることは、ご理解いただけたと思います。
そしてたしかに、こちらのほうが真に「頭の良さ」を問えると僕は思います。
例えば英単語を丸暗記して「この単語はこういう意味とこういう意味がある」と覚えていただけでは、それがちょっと捻って登場したり、何かと組み合わさって出てきたときに、問題を解くことはできません。そうではなく、最低限の知識から類推して、「おそらくこういう意味なんじゃないか」と解を求められる人が求められているのです。
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