中小企業「そうだ、DXしよう」大抵失敗する3大理由 デジタル人材のいない企業、失敗経緯は共通

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こうなったとき、中小企業の経営者が思いつくことは3つあります。

1つ目は、社内で最もデジタルに強そうな社員に「独学でなんとか理解してくれ! お前だけが頼りなんだ!!」と丸投げするパターン。これは、人によっては眠っていたITに関する才能が目覚めてバリバリ活躍してくれるという、ごく少数の成功例はあるかもしれません。ですが、ほとんどの場合はキャパオーバーとなり、大切な社員をつぶしてしまうことになりかねません。

2つ目は、「じゃあ、ITに詳しい人材を募集しよう!」と、ハローワークや就職情報サイトに登録してみるパターン。残念ながら、ほとんど応募はないでしょう。もしあっても、面談してその人のITの力量を判断する知識がありません。相手の発言のレベルチェックもできないし、真偽の判断さえつきません。ミスマッチが起こる確率が高いでしょう。

3つ目は、「ええい、面倒だ! ITは外注してしまえ!」というパターン。確かに外注は1つの手段ではあります。だけど、「どこに?」「どんな人に?」「何を?」がそもそも見えていないので、頼み方といえば「全部お任せします」としか言いようがありません。

結果、社員には使いこなせないレベルのものや、使い勝手のよくないものが納品され、その上、高い報酬を請求されてしまう……といった事態に陥りがちです。

現場では、特に珍しくもないくらい、こんなことが起こっています。このような失敗に陥らないために、「デジタル人材がいなくても」「ローコストで」DXを進める方法を紹介します。

中小企業がデジタル人材を採用できない理由

どの企業においても、デジタル人材の確保が大きな課題となっています。大企業では、外部からの採用を進めると同時に、社内人材をリスキリング(再教育)しているところも多く見られます。また、高額の給与体系を新たに設けて、デジタル人材の募集を始めた企業もあります。

中小企業の経営者もこのような動きを見て、「うちでもデジタル人材を育てないといけない」「うちでもデジタル人材を採用したい」と考えるわけです。

しかし、どの中小企業も、そのような余裕はないでしょう。日々の業務で手一杯。時間的にも金銭的にも、大企業とデジタル人材を取り合う力はありません。

「いや、それでも正念場だから、なんとかがんばってみよう」とチャレンジしても、おそらくうまくいきません。

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