新たな乗り鉄を発掘、北条鉄道「キハ40」導入戦略 都会人の「オアシス」的存在として期待が高まる

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そのため、「乗り鉄」以外の一般客をどう誘客するかが利用率アップのカギに思えた。そういう意味では北条鉄道はうまく立ち回っていると感じたのである。沿線にこれといった見所はないが、関西圏から若いカップルなどの気軽な日帰り旅にもってこいの場を提供しているように思えた。路線が短いので1日乗車券も1000円以下である。

地方ローカル線の存続が話題になっていて、その都度問題になるのが、その地域の利用者の減少であるが、地方では地域内の移動は自家用車が圧倒的に便利で、人口も減っているのだから、鉄道利用者が増える要因はほぼなくなっている。

日帰り旅にちょうどいい

北条鉄道は「地域民の利用者を劇的に増やすことには限界がある」さらに「見所も少ないので観光客誘致も難しい」が、関西圏からのちょっとした日帰り旅にちょうどいい場を提供し、鉄道、しかもレトロなキハ40に乗れるという部分が役立っていると感じた。若いカップルなどにしてみれば、「混雑するところには行きたくない」という人も多いだろう。

地方ローカル線には、「地元利用者は少なくても、都会人の休日のオアシスになれれば」といった視点が必要であろう。

鉄道ファン目線でいえば、「国鉄型」なら加古川線の103系もあるし、すぐ近くの播但線普通列車は電化区間が103系、非電化区間はキハ40系ばかりで運転、ともに「国鉄型」である。形式でいえば、北条鉄道のキハ40がそんなにレアな存在ともいえないはずである。

キハ40に乗車して感じたのは「ちょうどいい程度に人気者になっていた」という点だ。1両しかなく、毎日必ず運転しているわけでもない。逆に大騒ぎになっても受け入れられないであろう。その辺のさじ加減がよかったと思われる。

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