「ウィルコム」「ガラケー」写真で振り返る深い魅力 カップル購入や、デコ電、「写メる」などの言葉も

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そして携帯電話のボディも、ストレート型から、手のひらにすっぽりと納まる折りたたみ型へとその形を変えていった。デジタルネイティブ世代からすると、大げさに聞こえるかもしれないが、手のひらサイズの小さな携帯電話で写真付きのメールのやりとりや、ネットの使用、音楽が聞けることは、画期的なことであり、ミレニアム時代の幕開けを意識させる出来事でもあった。

ガラケー
折りたたみ携帯へと変化(写真:筆者撮影)

携帯電話はさらに多機能になっていったが、その一方でパケット通信料が月額数万円~数十万円にまでの高額請求になる「パケ死」が問題になった。携帯電話に夢中になればなるほど、日々膨れ上がる通信料は、人々の悩みタネとなっていったのだ。

ここに目をつけたのが、冒頭のウィルコムだ。2005年に加入者間での音声通話と、電子メールを定額にする「ウィルコム定額プラン」を開始した。月々定額3000円程度で、ウィルコム同士の通話は無料だ。

友達同士やカップルで一緒に購入

若者の間では、仲の良い友達同士やカップル同士でウィルコムを一緒に買うケースが続出した。またカップル御用達だったということもあり、電池パックのふたの裏に恋人と撮ったプリクラを貼ったり、お互いのふたを交換したりするなど、どこか甘酸っぱいエピソードも多かった。

2008年に登場したハニービーシリーズは、カラーバリエーションと、画面の大きさ、メールが華やかになる「デコメ(装飾メール)」が使えることから、学生を中心に人気に火が付いた。2009年には若者に人気のアパレルブランド「LIZ LISA(リズリサ)」とのコラボ端末も発売した。

ハニービーシリーズ(写真:筆者撮影)

しかし2010年代以降からのスマートフォンの普及に押され、徐々に利用者は減少。2014年に旧イー・アクセス(現Y!mobile)が展開していた「イー・モバイル」とブランド統合し、ブランド名が「Y!mobile」に変更となり、ブランド名としてのウィルコムは9年半で幕を下ろすことになった。

その一方で、令和になった今でも「平成アイテム」のひとつとしてSNSで話題に挙がるウィルコム。それだけユーザーがウィルコムに対して愛着があったという証しだろう。

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