「キーボードをバンバン」職場の苛立つ人の扱い方 アドラー心理学では原因ではなく目的を考える
リーダーになってみると、どうしても部下にイライラしてしまう、上司と部下の間に挟まれて「なんでわかってくれないんだ」と腹が立ってしまうなど、「怒り」という感情がわいてきてしまうことがあります。
それを相手に思わずぶつけてしまったり、あるいは、ぐっと我慢したとしても、なんとなく不機嫌オーラを職場で出してしまったりして、自己嫌悪につながる。そんな経験のある人もいるのではないでしょうか。
ただ、「部下」が相手のときだけ、イライラしやすい、不機嫌になりやすい人は注意が必要です。「怒り」は、相手役が「弱い立場」のときに向かいやすい傾向があるからです。親なら子、教師なら生徒、上司なら部下という具合です。
これが固定化すると、「一方が支配し、一方が支配される関係」になります。人間として健全で健康とはいえないので、修正したほうがいいでしょう。
怒りの目的を知る
しかし、「怒り」という感情そのものは、時々は、「それはそれでしかたがないときもある」と私は思っています。「怒り」が100%悪いもの、とも思っていません。
人間ですから、不機嫌になってしまうことも、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。
そんなとき、私は、「怒りの目的を知りましょう」とアドバイスします。
ここまでお話ししてきたように「怒り」には「目的」があり、そして「相手役」が存在します。よくある目的の1つが、「部下」を「思いどおりに動かしたい」という支配欲があげられます。あるいは「上司」に「自分の尊厳を大きく傷つけられたくない」という防御の目的があったりもします。
不満に思ったり、イライラしたり、カチンときたときは、それを誰かに出す前に次のように考えてみてください。
「怒りの相手役は誰で、何が目的なのか」
これだけでも、自分の感情が整理されて、無駄に怒りに振り回されることは少なくなります。
さらには、「目的」の底には、何の気持ちがあるのかを考えてみてください。「部下を思いどおりに動かしたい」の底には、「私は不安に思う」「私は心配だ」などの気持ちがあったりします。「上司に自分の尊厳を大きく傷つけられたくない」という目的の裏には、「私は悲しい」「私は失望した」などの気持ちがあったりするものです。
この心の底にある気持ちに自分で気づくと、その後の対応が違ってきます。職場や仕事のことで、つい、イライラしたり、カチンときたら、「その目的の底にある本当の私の気持ちは何なのか」を考える習慣をもってみてはどうでしょうか。
ただ、相手に怒っているだけで終わらず、自分の本当の気持ちに向き合い、気づくほうが有益で、建設的な習慣といえます。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら