企業の健康経営にゴルフが役立つかもしれない訳 ヘルスケアとゴルフを結びつける新組織発足

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ゴルフプレーとゴルフ系健康セミナーをセットにした旅行ツアーづくりで、コンソーシアムへ参加していく予定なのが株式会社「REHA・ツーリズム(REHAt)」で、ゴルフと健康をテーマにしたツアー実績がある。

代表取締役の中田秀貴氏は、NECに勤務していた2014年に脳梗塞を患い、いったん復職したが2015年に再発。右半身の運動障害など後遺症があり、リハビリをしてきた。その病院の屋上にパターなどができるスペースがあり、ゴルフをやっていたこともあってリハビリに利用した。

2019年にゴルフを再開。右足に障害が残るため当初はうまく打てなかったが「リモートゴルフレッスンを受けて、左足体重で打つようにしたら、2020年に7年ぶりに100を切れました」という。

未病→発病という経験をしてきた中田氏は、その後REHAtを立ち上げ、リハビリ・ヘルスツーリズムとして未病、発病ともに個々の健康状態やニーズに合わせたツアーを企画・催行している。

「私は病気になって初めて健康の大切さを知りました。健康な体で正しいスイングをすれば、80歳になってもゴルフはできます。小森さんとは『ゴルフで元気になれる』という思いは一緒です」(中田氏)

個人ではなかなかできない未病からの健康管理を企業・団体が行うサポートをする、という企画を今後、作っていくことになる。

こうした一見ゴルフとは無関係にみえるヘルスコンテンツ系の企業を、ゴルフ場や練習場などのゴルフ関連企業と結びつけることで、双方の活性化にもつながるだろう。

ゴルフ界にとって「健康」は最重要課題

「ゴルフde健康経営コンソーシアム」では会員登録を始めているが、今のところ会費は無料。今後、メールによる情報提供やオンライン勉強会&セミナー、「ゴルフ×健康経営」メニュー開発ワークショップなどを開催し、ニーズなどを聞きながら「ゴルフ×健康経営」の事業を作っていくという。

「ある程度、形になって、会員にプラスになることが実行できるようになれば、会費をいただくことも考えます」と小森氏。例えば、セミナー&ゴルフのツアーを会員の企業がやりたいといった場合にも、かかる費用は「基本的にはセミナー講師の派遣費用とゴルフプレー費と考えています」と言う。

ゴルフ界には、ゴルフ人口の多くを占めてきた団塊世代が後期高齢者(75歳)となる2025年問題、ゴルフをやめるとされる80歳を迎える2030年問題を抱えている。その人たちのゴルフ継続はもちろん、その後に続く人たちにもゴルフを長くやってほしい。そのためには健康が最重要課題ということになる。

働く人の健康を保つのは、企業や団体の法的義務でもある。40代以上の世代には未病者が多く存在するだろう。新しくゴルフを始めた若い世代もこれから行く道だ。「ゴルフで健康経営」、一考の価値はあるのではないだろうか。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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