彼らは例えば、時間軸で目的を分けていたりします。
「中期的に自分のためになること」
「長期的にもしかしたら自分に返ってくるかもしれないこと」
という3つで考えるのです。
「この経済の本を読むことは、短期的に言えば、今度出る予定のビジネスコンテストの勉強にためになる。中期的には東大推薦のための文章を書くときのために、経済的な視点もインストールしておきたい。長期的には将来何か新しい事業を考えるときにお金のことをしっかり理解しておく必要が出てくるかもしれない」と。
また、目的を一人称・二人称・三人称で分ける場合もあります。
「二人称=特定の誰かの役に立つこと」
「三人称=自分以外の不特定多数の役に立つこと」
「自分が勉強になるからこの本を読む。一緒に活動しているAくんに、この本について話ができるかもしれない。さらに、このテーマに興味を持っている人は多いだろうから、これから先に出会う人にこの本の内容をシェアすることができるかもしれない」と考えることで、自分だけで完結しない行動になっていくのです。
「読書」という1つの行為でも、複数の目的を持っていれば、2倍・3倍の学習効果が生まれます。こういった目的設定の能力が、東大推薦生は非常に強いのです。
目的意識の差は「プレゼンの質」の差にもつながる
推薦入試に直結する話で言えば、こういった目的意識は、プレゼンをする際にも東大の教授に評価されるポイントだったりします。
例えばみなさんは、どちらの人のほうが「この学生はすごいんだな」と思いますか?
Aくん「私は数学オリンピックで銅賞で、英検準1級を持っていて、生徒会長をやったことがあります」
Bくん「私は、『人間がどうやったら数学的な思考力を高められるか』について興味があります。将来は日本の数学教育をもっと高める仕事がしたいです。だからまずは、自分自身の数学の素養を高めるために数学オリンピックで銅賞を取りました。また、海外の数学教育の事例を知るために英語の勉強をして英検を取りました。さらに最近は、実際に数学教育を受ける学生たちのことをもっと深く知るために生徒会長をやりました」
後者のほうが、率直に「すごい」と感じるのではないでしょうか?
やっていること自体は、この2人に差はありません。まったく同じことをやっているにもかかわらず、「どんな目的があったか」が明確にプレゼンできたほうが、評価されやすいのです。
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